京都府 政府に緊急事態宣言発出要請を決定 大阪 兵庫とともに

京都府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて対策本部会議を開き、大阪・兵庫とともに9日にも政府に対して京都への緊急事態宣言の発出を要請することを決めました。

京都府では、7日、1日としては過去最多の143人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されるなど感染が急拡大していることから、8日、対策本部会議を開いて対応を協議しました。

このなかで府の担当者は
▽直近1週間の人口10万人当たりの感染者数が、緊急事態宣言の出された首都圏の1都3県と同じ水準まで増えているほか、
▽会食をきっかけにした感染が二次感染まで含めると12月の感染者のおよそ3割を占めていると報告しました。

こうした議論を踏まえ、京都府は大阪、兵庫とともに、政府に対して9日にも京都への緊急事態宣言の発出を要請することを決めました。

会議では、京都市内の酒類を提供する飲食店などに対する午後9時までの営業短縮要請について、2月7日まで延長することや、国の支援策「Go Toイート」の府内で使える食事券についても2月7日まで使用を自粛するよう求めることなどを確認しました。

そして、「京都府感染拡大警報」を出し、府民や企業に対し、不要不急の外出の自粛、首都圏の1都3県への往来の自粛、それに、目標として従業員の半分をテレワークとすることなどを強く要請することを決めました。

京都 西脇知事「社会経済活動との両立の考え方は変わらない」

京都府の西脇知事は、対策本部会議のあと記者会見で、政府への緊急事態宣言の要請を決めたことについて「府内での感染者が急拡大し、大阪と兵庫と足並みをそろえるタイミングと判断した」と述べ、9日午前、オンラインで開かれる全国知事会の場で大阪と兵庫とともに政府に要請する方向で調整していることを明らかにしました。

そのうえで「首都圏1都3県に出された緊急事態宣言を見るかぎり、春先の内容に比べて範囲は限定的で社会経済活動との両立の考え方は変わらない」と述べました。

そして緊急事態宣言が出された場合、国の方針をもとに、府内の状況に応じて飲食店の営業時間の短縮や府民の外出の自粛などの要請を検討する考えを示しました。

京都 飲食店に不安や戸惑い

京都市内の飲食店では、感染の急激な拡大で営業時間短縮の要請が延長されることなどについて、不安や戸惑いの声が聞かれました。

このうち、JR京都駅近くの居酒屋では、系列の飲食店グループの店長を集めた会議を開き、対応を協議しました。

この飲食店グループでは、京都府の要請に応じて営業時間を午後9時までに短縮していますが、売り上げは例年の半分以下で、このまま続ければ経営がさらに苦しくなると危機感を募らせています。

経営する長谷川進也さんは「時短要請の根拠などが説明不足のように思う。納得はいかないが、最終的には感染者が減って通常どおり営業ができるのがベストなのでしかたがない」と話していました。

また、要請に応じた飲食店への一律4万円の給付金について「影響は店によって違うので、売り上げに応じた金額でないと納得がいかない。今後も続くなら、一律の給付が正しいのか再検討してほしい」と話していました。

一方、オフィスが建ち並ぶ四条烏丸にある居酒屋は、営業時間を短縮してから仕事帰りの客が8割以上減り、売り上げは前年に比べ7割ほど減少したということです。

責任者の福永浩司さんは「サラリーマンが多く、午後8時から9時が来店のピークだったが、時短で来られなくなった。延長が繰り返されるかもしれないと思うと不安が募る」と話していました。