“桁違いの感染拡大”経済3団体にテレワーク推進要請 西村大臣

東京など1都3県を対象にした緊急事態宣言を受けて、西村経済再生担当大臣は、経済3団体とのテレビ会議で「去年の春とは桁違いに感染が広がっている」と指摘し、外出の自粛やテレワークの推進を要請しました。

この中で、西村経済再生担当大臣は「飲食店に対する営業時間の短縮などの要請を行うが、飲食につながる人の流れも制限していかなければ、感染拡大が抑えられない」と述べ、県をまたぐ移動を含めた不要不急の外出を自粛し、特に午後8時以降は徹底するよう求めました。

また、テレワークの推進について「去年の春の宣言の際と同等の措置だが、感染状況は桁違いで広がっており、医療のひっ迫度も極めて厳しい。できれば去年の春以上にさらに踏み込んでお願いしたい」と述べ、出勤者数の7割削減に向けて協力を要請しました。

これに対し、経団連の古賀審議員会議長は、企業にテレワークの推進などを周知したとして「今こそ、宣言のもとで、一人ひとりが危機感を共有すべきで、若者に対し、真摯(しんし)な呼びかけがもっと必要だ」と指摘しました。

日本商工会議所の大島特別顧問は「医療崩壊を回避するためにも、国民への強いメッセージが必要で、宣言の再発令はやむをえない」と述べたうえで、来月末までとなっている雇用調整助成金の特例措置の延長などを求めました。

経済同友会の櫻田代表幹事は、テレワークの推進に協力する意向を示し「特別措置法の改正を早くやっていただきたい。国難でもあり、行動変容を促すため、ある程度の罰則規定は必要だ」と述べました。

従業員の出社割合 さらに下げる企業も

緊急事態宣言が出されたことを受けて、企業の間では在宅勤務を強化するなどして、出社する従業員を減らす動きが広がっています。

このうち大手電機メーカーの日立製作所は、首都圏の1都3県で働くおよそ2万2000人の従業員を対象に、原則在宅勤務という従来の方針を徹底するよう促しました。

これによって従業員が出社する割合を、これまでの30%前後から15%以下にすることを目指すということで、8日はおよそ2800人が働く東京 千代田区のオフィスに従業員の姿はほとんど見られませんでした。

会社では、1都3県への出張だけでなく、この地域を通過する形での移動も原則禁止し、社内の会食や懇親会も自粛して、従業員の感染を防ぐ対応をとるということです。

日立製作所インダストリー人事総務本部の長谷山恭司総務部長は「感染が急速に拡大しており、従業員と家族の安全と健康を守る観点から、在宅勤務を徹底したい。仕事の効率を下げない形での勤務を目指して取り組んでいる」と話していました。

経団連 テレワーク実施状況の調査へ

経団連は、緊急事態宣言を受けて、会員企業に対して感染対策の徹底を改めて呼びかけました。

呼びかけでは、
▼いわゆる3つの密の回避、
▼仕事や飲食も含めた午後8時以降の不要不急の外出の自粛、
▼出勤者数の7割削減を目指したテレワークの、
実施を求めています。

経団連では今月下旬をめどにテレワークの実施状況などの調査を行う方針で、取り組みが十分でない場合は、より強く呼びかけて、対応を促すことも検討するということです。

経団連の古賀信行審議員会議長は「宣言が早いのか遅いのかという議論はあるが、社会活動を一定程度動かしながら感染拡大を防ぐことが大事で、正解は決められない」としたうえで、若者に対する感染対策も徹底してほしいと政府に求めました。