フランス政府 一般の高齢者へのワクチン接種を前倒しで開始へ

フランス政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種について、最優先としている高齢者施設の入所者に加えて、当初は来月からとしていた75歳以上の一般の高齢者などにも今月から接種を開始するなど、計画を前倒しで進める方針を打ち出しました。

フランスでは、EU=ヨーロッパ連合が使用を許可した製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンの接種を先月27日から進めていて、今月中に高齢者施設の入所者など合わせて100万人に接種する計画でした。

しかし、入所者の同意を得るとともに事前の健康診断を行うことを求めたところ、接種が進まず、開始から1週間たった今月3日の時点でも接種した人は全国で500人ほどにとどまっていました。

カステックス首相は7日、記者会見し、高齢者施設の入所者を優先しながらも当初は来月からとしていた75歳以上の高齢者や50歳以上の医療従事者にも今月から前倒しで接種を行う方針を打ち出しました。

また、ファイザーのワクチンは効果を最大限にするためには2回の接種が必要とされていますが、2回目の接種の時期を当初計画していた3週間後から6週間後にずらし、その分を初めて接種する人に回すことで、多くの人がより早く接種できるようにするとしています。

フランスでは、年末の休暇中に人の移動や接触が増えたことで、感染が急速に拡大することに懸念が高まっていて、カステックス首相は「ワクチンはこの危機から抜け出すための希望の源だ」と述べ、理解を求めました。