緊急事態宣言 感染拡大防止へ再びテレワーク徹底の動き IT企業

首都圏の1都3県を対象とした緊急事態宣言を受けて、企業の間では在宅勤務などのテレワークを再び徹底する動きが出ています。

東京 港区にあるインターネット関連会社「mediba」では、およそ450人の社員が働いていて、去年4月、緊急事態宣言にあわせて在宅勤務などのテレワークを原則としました。

その結果、東京都と沖縄県の2か所にオフィスがありますが、職場に出社する社員の割合は、およそ300人が勤務する東京のオフィスでは、平均でおよそ5%となりました。

緊急事態宣言が解除されたあとの去年の6月以降は出社する社員が増えて、最近では東京のオフィスの出社率は平均でおよそ20%となっていたということです。

このため会社では、首都圏の1都3県を対象にした緊急事態宣言を受けて、感染拡大を防ぐためにテレワークを徹底することを決めました。

7日は、東京にあるオフィスに社員の姿はほとんどなく、オンラインの会議で打ち合わせを行うなどしていました。

この会社では社員などにもテレワークを徹底するよう呼びかけるとともに、やむをえず出社する場合には、感染を防ぐために互いに一定の距離をとり業務を行うことにしています。

江幡智広社長は「オンラインで社員どうしのコミュニケーションをどうすればスムーズにできるかを検討してきました。再びテレワークを徹底させていきたいと思う」と話しています。

社員どうしの交流 オンライン上での工夫も

この会社では、社員が担当グループごとにオンライン上で朝礼を積極的に行うようにしたり、互いの近況を報告する時間も設けたりしています。

また、オンライン上での打ち合わせでは、出された意見を全員で共有できるようにメモを貼り付けることができるツールを導入するなど、オフィスでの打ち合わせに近い状況にできるよう試みています。
さらに、テレワークを続けると、社員どうしで実際に会うことが少なくなることから、オンライン上で呼びかけて希望した社員が一緒にストレッチや体操などを行うことで、社員どうしのつながりを意識してもらうようにしています。

オンラインで行ったストレッチに参加していた会社役員の男性は「ふだんは社員の表情を見て、気になったことがあれば気軽に声をかけられますが、テレワークではそういった細かいことが難しいと感じています。そういう意味で、業務のほかにもコミュニケーションの場を持つのは重要だし、いいことだと思う」と話していました。

江幡智広社長は「インターネットでサービスを展開していくうえで、社員どうしのコミュニケーションは業務の効率化にもつながります。テレワークを継続的に実施しつつ生産性などを上げるために有効な方法を、今後も検討していきたい」と話しています。

出社 原則禁止も

東京 銀座に本社があるコンサルティング会社では、グループ会社を含めたおよそ1000人の社員が本社のオフィスに在籍しています。

この会社では感染拡大をきっかけにテレワークを推進し、現在の出社率は30%程度ですが、1都3県に緊急事態宣言が出たことを受け、8日から本社への出社を原則禁止にすることを決めました。

7日は総務の担当者が出社禁止を知らせるメールを社員に送信したり、社員どうしが在宅勤務の業務の進め方を確認したりしていました。

男性社員の1人は「感染の不安があるので会社の対応はありがたいが、対面のほうがはかどる仕事もあり、互いに協力しながら宣言期間を乗り越えていきたい」と話していました。

コンサルティング会社「リンクアンドモチベーション」の横山博昭さんは「すでにテレワークの割合を高めていましたが、感染対策を一段と強化するため、出社の原則禁止を決めました。早く事態が収束することを願っています」と話していました。