米連邦議会の混乱 オバマ前大統領がトランプ大統領を強く非難

オバマ前大統領はアメリカ連邦議会で起きた混乱について声明を発表し「連邦議会での暴力は、現職の大統領が合法的な選挙結果について根拠のないうそをつき続けたことで引き起こされたもので、われわれの国の大いなる不名誉と恥として歴史に刻まれるだろう」とトランプ大統領を強く非難しました。

そのうえで「今、共和党の指導者たちは民主主義が冒とくされた議場で選択を迫られている。このまま、この道を進み、火をあおり続けることもできるし、現実を選択して火を消すための第一歩を踏み出すこともできる。彼らはアメリカを選ぶことができる」として、共和党の議員に対し、トランプ大統領への同調をやめるよう求めました。

クリントン元大統領も声明

また、クリントン元大統領も声明を発表し「きょう私たちは連邦議会、憲法、そしてわれわれの国に対する前例のない攻撃を受けた。この攻撃は意図的に誤った情報を広め、私たちの国に不信感を植え付け、アメリカ人どうしを敵対させた毒のような政治によってあおられた」とトランプ大統領を強く非難しました。

そのうえで「選挙は公平に行われ、結果は揺るがない。われわれは憲法が定める平和的な政権移行を完了しなければならない。きょうのような暴力を拒否し、共に前進しなければならない」と訴えました。

ホワイトハウスの幹部ら 相次ぎ辞意表明

トランプ大統領の支持者が連邦議会議事堂を一時占拠し、審議が中断するという前例のない事態のあと、ホワイトハウスの幹部らが相次いで辞意を表明していて、トランプ大統領から距離を置く動きが加速していることがうかがえます。

このうちトランプ大統領のメラニア夫人の首席補佐官で、ホワイトハウスの報道官なども務めたステファニー・グリシャム氏は6日、ツイッターに「ホワイトハウスで国のために働くことができて光栄だった」などと投稿し、辞任を表明しました。
理由は明らかにしていませんが、メディアはトランプ大統領の支持者らによる連邦議会の占拠が影響したと伝えています。

また、ホワイトハウスのマシューズ副報道官も6日、連邦議会が占拠されたことへの不快感を示したうえで辞任を表明しました。

さらに複数のメディアは、ホワイトハウスで安全保障問題を担当するトランプ大統領の側近のポッティンジャー次席補佐官が辞任したほか、オブライエン補佐官や、ホワイトハウスの複数の中堅の職員も辞任を検討していると伝えていて、今回の前例のない事態をきっかけにトランプ大統領から距離を置く動きが加速していることがうかがえます。

民主党下院議員 トランプ大統領の解任求める書簡送る

今回の混乱を受け、連邦議会の民主党の下院議員17人は6日、ペンス副大統領に対し、憲法の規定に基づきトランプ大統領を解任するよう求める書簡を送ったことを明らかにしました。

大統領の地位の継承について定めた憲法修正第25条は、副大統領と閣僚の過半数が「大統領が職務を行うことができない」と議会に通告した場合、副大統領が代わりに職務を行うと規定しています。

書簡では、今回の事態について、トランプ大統領が直前に開かれた集会で支持者に対し、議会に向かうよう求めるなど、大統領みずからが混乱を招いたと指摘しています。

そのうえで「トランプ大統領が選挙結果を力で覆すために暴力と社会の不安をあおったことは、明らかに基準を満たしている。民主主義のために憲法修正第25条を行使し、トランプ大統領を権力から排除するプロセスを開始することを強く求める」としています。

また、アメリカの複数のメディアは関係者の話として、トランプ政権の閣僚の一部が憲法修正第25条の行使について議論したと伝えました。

どこまで踏み込んだ議論が行われたのかや、ペンス副大統領が、これを支持しているのかどうかについては明らかになっていないものの、トランプ大統領がデモ隊を積極的に止めようとしなかったことに、多くの閣僚が恐ろしさを感じたとしています。