抗議デモのトランプ支持者らが米議会に侵入 女性が撃たれ死亡

アメリカ大統領選挙の結果を確定する連邦議会の会議が開かれましたが、バイデン氏の当選に反発するトランプ大統領の支持者が一時、議事堂に侵入して審議が中断する事態となり、混乱の中、女性1人が銃で撃たれて死亡しました。その後、デモ隊は議事堂から排除され、ペロシ下院議長は6日夜にも審議を再開する見通しを示しました。

アメリカでは6日、去年11月の大統領選挙の結果を確定する連邦議会上下両院の合同会議が開かれました。

会議では各州の選挙人による投票結果の集計が行われましたが、一部の共和党議員が選挙での不正を訴えるトランプ大統領に同調して、西部アリゾナ州のバイデン氏勝利の結果に異議を申し立てました。

さらに、議会の周辺で抗議活動をしていたトランプ大統領の支持者が議事堂を包囲し、一部が建物の窓ガラスを割るなどして内部に侵入して一時的に議事堂を占拠し、議員らは避難を余儀なくされて審議は中断しました。

首都ワシントンの警察によりますと、この混乱の中、議事堂内で女性1人が銃で撃たれ、死亡したということで、詳しい状況を調べています。

トランプ大統領はこれに先立ち集会で支持者に議事堂に向かうよう呼びかけていましたが、混乱を受けて帰宅を呼びかけ、議事堂に侵入したデモ隊も警察などにより排除されました。

これを受けて民主党のペロシ下院議長は、合同会議の議長を務めるペンス副大統領や共和党と協議した結果、安全などが確認されれば、6日夜にも審議を再開することを決めたと議員らに伝えました。

ワシントンでは日本時間の午前8時から夜間外出禁止令が出され、警戒が続いていて、合同会議ではバイデン次期大統領の当選が確定する見通しです。

窓ガラスを割って次々侵入

議事堂で撮影されたとする映像ではデモの参加者とみられる複数の男たちが盾のようなものを使って窓ガラスを割ったあと、窓枠に手をかけて建物に次々と侵入する様子が確認できます。

またNBCテレビは民主党のペロシ下院議長の執務室にトランプ大統領の支持者が侵入した様子だとする写真をツイッターで伝えています。

議事堂周辺には依然として多数のトランプ大統領の支持者たちが集まり混乱は収まっておらず、アメリカのABCテレビなど主要メディアは特設ニュースで、連邦議会に多数の暴徒が侵入するという異例の事態を伝えています。

女性1人が撃たれて死亡

アメリカの首都ワシントンの警察によりますと、連邦議会議事堂の中で現地時間の6日午後、日本時間の7日朝早く銃で撃たれて手当てを受けていた女性1人が死亡したということです。

撃たれたときの詳しい状況はわかっていませんがアメリカのNBCテレビは死亡した女性は警備にあたっていた当局者に撃たれたと伝えています。

アメリカの一部のメディアは、議会のドアを壊して内部に侵入しようとするトランプ大統領の支持者に向けて警備員らが銃を構えている様子だとする写真などを使いながら、議会内の緊迫した様子を伝えています。

トランプ大統領が動画投稿 デモ隊に撤収を呼びかける

トランプ大統領は日本時間の7日午前6時半ごろ、ホワイトハウスで撮影したと見られる1分ほどの動画をツイッターに投稿し「皆さんの痛みはわかる。選挙はわれわれから盗まれた。われわれが大きく勝ったのは相手側がよくわかっている。だが、いまは家に戻るべきだ。そして、平和と法と秩序が必要だ」とデモ隊に撤収を呼びかけました。

ペンス副大統領「暴力と破壊 いますぐやめろ」

アメリカのペンス副大統領はツイッターに「議事堂での暴力と破壊はいますぐやめなければならない。建物を直ちに離れるべきだ。この攻撃は許されず、関わった者は最大限、罪を問う」と投稿し、デモ隊に強く警告しました。

アメリカメディアによりますと、ペンス副大統領は議事堂から避難したということです。

バイデン次期大統領「われわれの民主主義が攻撃受けている」

バイデン次期大統領は6日、地元デラウェア州で会見し「われわれの民主主義が前例のない攻撃を受けている」と述べ、非難しました。

そのうえで「これは抗議ではなく暴動だ。この混乱を今、終わらせなければならない。暴徒はひきさがり民主的な手続きを前に進めさせるよう求める」と訴えました。

さらに「大統領のことばこそ重要だ」と強調し、トランプ大統領に対して、支持者に議会の占拠などをやめるよう呼びかけることを求めました。

民主・共和両党から非難相次ぐ

トランプ大統領の支持者たちがアメリカ議会に侵入し混乱が起きたことについて、民主党のペロシ下院議長はツイッターに投稿し「トランプ大統領がすべての支持者に対して連邦議会とその周辺から直ちに立ち去るように呼びかけるよう求める」と非難しました。

またトランプ大統領に近い共和党のグラム上院議員もツイッターに「暴力をやめ、狂気を終わらせるべきだ」と投稿しています。

そしてブッシュ元大統領は声明を出し「おぞましくひどい光景だ。これは政治が不安定な国の選挙結果で争いが起きたときの様子で、民主国家の私たちの国で起きることではない。一部の政治家による無謀なふるまいにぞっとする思いだ」として、トランプ大統領や一部の大統領の支持者を強く非難しました。

ヨーロッパからも非難と懸念の声

アメリカの連邦議会議事堂での混乱について、ヨーロッパからは非難する声があがっています。

イギリスのジョンソン首相は6日夜、みずからのツイッターに投稿し、トランプ大統領の支持者が議事堂に侵入したことについて恥ずべき光景だとしたうえで「アメリカは世界の民主主義を象徴している。平和的で秩序ある政権の移行が今こそ重要だ」と述べました。

フランスのルドリアン外相はツイッターに投稿し「民主主義に対する攻撃だ。アメリカの国民の投票は尊重されなければならない」と強く非難したほか、ドイツのマース外相は「トランプ大統領とその支持者はアメリカの有権者の決定を受け入れ、民主主義を踏みつけるのをやめるべきだ」などと書き込み、暴力的な行為を批判しました。

また、EU=ヨーロッパ連合もミシェル大統領が「アメリカの連邦議会は民主主義の殿堂だ。平和的な政権移行が行われると信じている」と投稿しました。