国立感染研 変異ウイルスをPCR検査で検出する手法を開発

イギリスなどで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスについて、国立感染症研究所は変異したウイルスをPCR検査で迅速に検出する手法を開発し、国内での監視態勢の強化につながるとして注目されています。

イギリスや南アフリカなどで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスは、これまで特殊な装置を使って遺伝情報を詳細に解析する方法で調べる必要があり、結果が出るまでに時間がかかることが課題となっていました。

国立感染症研究所が新たに開発した手法はPCR検査の技術を使ってウイルスの遺伝子に、今回、問題となっている「N501Y」と呼ばれる変異が起こっているかどうかを直接、検出できるものです。

これまでは半日以上かかっていた検査が数時間でできるうえに試薬を変えるだけで通常のPCR検査の機器をそのまま使うことができるということです。

国立感染症研究所では、国内に変異ウイルスが入り込むのを防ぐため、遺伝子の解析を行っていますが、新しい手法が実用化されれば大量のサンプルを迅速に調べることができるようになるということです。

国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長は「迅速な検出方法を準備しておくことは重要だ。今後、精度など検討をさらに重ねたうえで、監視態勢の強化などに役立てたい」と話しています。