東京都 新型コロナ 1591人の感染確認 過去最多 重症も最多に

東京都は、6日これまでで最も多い1591人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、都の基準で集計したきょう時点の重症の患者は113人で過去最多、重症患者を含めた入院中の人も3090人で過去最多になりました。さらに、都は、感染が確認された8人が死亡したことを明らかにしました。

東京都は、6日都内で新たに10歳未満から90代までの男女あわせて1591人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

これまでで最も多かった12月31日の1337人を250人あまり上回って過去最多となりました。
1500人を超えるのは初めてです。

さらに、5日の1278人に続いて初めて2日連続で1000人を超えました。

このほか、感染確認の7日間の平均も初めて1000人を超えて1071.9人となり、感染の急速な拡大が続いています。

きょうの1591人の年代別では、
▼10歳未満が42人
▼10代が66人
▼20代が439人
▼30代が326人
▼40代が278人
▼50代が196人
▼60代が111人
▼70代が82人
▼80代が38人
▼90代が13人です。

▼10歳未満と、▼20代から70代までのぞれぞれの年代で過去最多となりました。

6日の1591人のうち、▼およそ28%にあたる451人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、▼およそ71%の1137人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。

感染経路がわからない人は過去最多です。

このほか、▼海外に渡航歴がある人が3人いるということです。

それぞれアメリカ、メキシコ、イギリスから帰国しました。

このうち、イギリスから帰国した人と接触があった2人もすでに感染が確認されていて、この3人の検体を国立感染症研究所に送り、変異したウイルスかどうか調べるということです。

濃厚接触者の内訳は、▼最も多い「家庭内」が273人と過去最多となりました。

次に多い▼「会食」も56人で過去最多です。

また、▼「職場内」が41人、▼「施設内」が24人などとなっています。

「会食」では、▼20代から40代の男女10人が先月29日に(12月)仕事納めで会食をして感染したケースや、▼20代の大学生が大みそかの日に複数の友人と年越しパーティーをして感染したケースなどがあるということです。

都の担当者は「クリスマスから年末にかけて、思った以上に皆さんが自粛をせずにいろいろな会食をして活動した結果が出てきていると思う。大人数の会食は誰がかかっているかわからず、場所をとわずリスクがある。会食で感染してウイルスを家庭に持ち込んだケースがこの年末にかけて起きていて、過去最多となったきょうの感染の確認につながっている」と話しています。

このほか、▼70代の男性が地方から帰省した子どもから感染したケースや、▼10代の大学生が地方の実家に帰省して親から感染したケースがあるということです。

これで都内で感染が確認されたのは、あわせて6万6343人になりました。

一方、都の基準で集計したきょう時点の重症の患者はきのうより2人増えて113人となり過去最多となりました。

重症患者を含めた入院中の人は3090人となりこちらも過去最多です。

また、都は、感染が確認された50代と、70代から90代の男女8人が死亡したことを明らかにしました。

このうち、▼感染経路がわかっていない人が6人、▼家庭内での感染が1人、▼高齢者施設での感染が1人だということです。

これで都内で死亡した人はあわせて656人になりました。

東京都 入院中3090人で最多に

東京都によりますと、6日までに感染が確認された6万6343人のうち、▼入院中の人は5日より65人増えて3090人となり、これまでで最も多くなりました。

このうち▽都の基準で集計した重症の患者は5日より2人増えて113人で、こちらも過去最多です。

都は、6日の時点で、▽重症の患者向けの病床を220床確保していますが、これを250床にするよう医療機関に要請しているほか、▽3280床確保している中等症以下の患者向けの病床は3750床にするよう要請しています。

また、▼自宅で療養している人は5日より421人増えて4901人となり過去最多、▼都が開設・運用しているホテルなど10の施設で療養している軽症や無症状の人はきのうより54人増えて924人となりました。

このほか、▼医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は5日より433人増えて3516人で過去最多となりました。

一方、▼すでに退院した人や、自宅などでの療養が終わった人は5万3256人となっています。

小池知事「改めて原点に戻り対策を」

小池知事は「きょうの数字も多いし、ちょうどクリスマスのころの数字が出てきているのではないか。改めて原点に戻って都民の皆さんと、ともに対策をしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

専門家「さしあたっての目標は1日の新規感染者を500人程度に」

東京都で6日、新型コロナウイルスの新たな感染者がこれまでで最も多い1591人となったことについて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「大みそかに1300人を超えたあと、年明けに800人前後となったが、年末年始で検査や報告が追いつかなかっただけで、実際はこの期間中も感染者数が右肩上がりに増えていたとみられる。先月中旬まで『勝負の三週間』として対策強化が呼びかけられたが、感染者は減らず、勝負の結果もはっきりとしないまま、ひとりひとりの対策への気持ちが緩まった可能性がある。その結果、飲食の機会が増えるなどして、この数につながったのではないか」と指摘しました。

そのうえで、緊急事態宣言については「医療崩壊を避けることを目的とすべきで、さしあたっての目標は、東京都内の1日の新たな感染者数を500人程度に下げることになるだろう。緊急事態宣言が出されても、2回目ということで国民が『コロナ慣れ』して、思うように効果が出ないことが懸念される。今回は飲食店の営業時間の短縮などに対策が絞られるということだが、宣言から2週間たっても感染者の増加傾向が続けば、そのほかの業種も制限するなど、さらに対策の強化を検討する必要がある」と話していました。