コロナ禍の年末年始 “仕事失い生活苦” で支援求める人相次ぐ

この年末年始に各地で開かれた相談会や食料の提供には、仕事を失うなどして生活が苦しい状況に追い込まれた多くの人が訪れました。

東京都内の支援団体など、5つの団体が大みそかと元日、今月3日に開いた生活相談や食料の提供には合わせておよそ700人が訪れ、3日間で150件ほどの相談が寄せられました。

相談の中では「仕事を失うとともに社員寮から出るよう迫られた」、「仕事がなく、インターネットの料金を払うことができない」などというケースがありました。

東京都が緊急の宿泊場所として用意したビジネスホテルに身を寄せたり、年末年始に自治体が開設した窓口に相談し、その日のうちに生活保護を申請した人もいました。
支援団体の1つ、「つくろい東京ファンド」稲葉剛代表理事は「若者や親子連れ、外国籍の方が相談に訪れるケースが相次ぎ、住まいはあるが、生活費や家賃に困っているという人が増えていると感じています。生活保護の申請を進めようとするとためらう人が多く、マイナスのイメージが支援の壁になっていると思います」と話していました。

年越しも職探しの男性 貯金は残り7万円

東京 豊島区に住む40代の男性は、できるだけ早く再就職をしたいという思いから、大みそかの深夜から元旦にかけてもインターネット上の求人募集の情報をチェックしていました。

これまで派遣やアルバイトなどの仕事で収入を得てきましたが、新型コロナウイルスの影響で去年の春以降、ほとんど仕事がなくなってしまったといいます。

その後の収入は、国の教育訓練でパソコンの実習を受けたことで給付された40万円と特別定額給付金の10万円などを合わせておよそ70万円だといいます。

貯金を取り崩して生活してきましたが、コロナ禍の前はおよそ30万円あった貯金は、現在は7万円ほどまで減りました。

支援団体の炊き出しやフードバンクを回って食費を節約していますが、来月分の家賃5万円を払うと手元にお金がほとんど残らないといいます。

このため、社会福祉協議会が窓口となって、国から当面の生活費を借りることができる支援制度「緊急小口資金」などを利用することを考えています。

男性は「ことしこそ仕事を見つけたいですが、感染拡大の影響で求人が減っていて、なかなか難しいと感じています。地方に住む親とは折り合いが悪いので、自治体から家族に連絡が行くかもしれない生活保護は受けたくないと思っています」と話していました。

生活保護申請ためらうケースも

東京 江戸川区は先月29日から今月3日の6日間、区内にある3か所の福祉事務所で臨時の相談窓口を設けました。

区によりますと、仕事を失った人などから22件の相談が寄せられましたが、生活保護の申請は1件だったということです。

生活保護の申請を受けた自治体は、申請した人に親族の経済的な状況などを聞いたうえで援助を受けることができる可能性があると判断した場合は、親族に直接問い合わせる「扶養照会」を行う場合があります。

しかし、親族と長い間、連絡をとっていないなど、疎遠な場合は「扶養照会」を拒んで生活保護の申請をやめるという人もいるといいます。
江戸川区生活援護第一課の安田健二課長は「生活が困窮していても生活保護だけは受けたくないと話す人が多いと感じます。親族に連絡を行う扶養照会だけはやめてほしいという人もいて、生活保護の受給に結び付かないケースもあり、支援が必要な状況だけにもどかしさを感じています」と話していました。

厚生労働省によりますと、この年末年始、全国で少なくとも312の自治体が臨時の相談窓口を設けて支援などにあたったということです。