西武HD 緊急事態宣言で終電繰り上げ 前倒しで実施検討

「西武ホールディングス」の後藤高志社長は5日、NHKのインタビューに応じ、首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言が出た場合、ことし3月に予定している最終電車の時刻の繰り上げを前倒しで実施する方向で検討する考えを示しました。

この中で、西武ホールディングスの後藤社長は、ことし3月に予定している終電の繰り上げについて「東京都から早めてもらいたいという要請もあるので、ほかの私鉄ともコミュニケーションをとって、どれだけ前倒しできるか検討していく必要がある」と述べ、前倒しでの実施を検討する考えを示しました。

そのうえで「緊急事態宣言の発出はやむを得ないと思うが、ホテル・レジャー産業には、かなり大きな影響が出るし、もういちど在宅勤務やテレワークが増えてくれば、鉄道の稼働状況も低下する。日本の社会経済活動の底割れを防ぐため目配りが重要だ」と述べ、感染拡大の防止と経済活動の維持のバランスをとることが重要だという考えを強調しました。

経営の立て直しに向けた今後の事業戦略については、観光地などでテレワークで働きながら休暇もとる「ワーケーション」や「シェアオフィス」の事業に力を入れる考えを示したうえで「急がない設備投資を先延ばしすることなど、コストカットを考えざるをえない。従業員の雇用はしっかりと守っていきたい」と述べました。

ほかの鉄道事業者との再編などについては「資本を伴った提携や連携は、少なくとも現時点において考えていない」と述べました。