英首相 イングランド全域で厳しい外出制限などの導入を表明

イギリスで変異した新型コロナウイルスの感染が拡大し、1日当たりの感染者が5万人を超える日が続く中、ジョンソン首相は4日、外出を厳しく制限する措置などをイングランド全域で導入することを明らかにしました。

イギリスでは、感染力が強いとされる変異したウイルスの広がりもあって感染が拡大していて、4日、1日当たりの感染者は5万8784人とこれまでで最も多くなりました。

イングランドでは、去年春のピーク時を上回る2万7000人近くが入院し、この10日間でおよそ1.4倍となるなど病床がひっ迫しつつあります。

ジョンソン首相は4日夜、テレビ演説を行い、イングランド全域で外出を厳しく制限する措置などを導入することを明らかにしました。

具体的には、食料品の買い物や通院、1日1回の運動などを除き、外出を厳しく制限し、違反した場合には200ポンド、日本円でおよそ2万8000円の罰金が科されます。

また、生活必需品を扱う店以外は営業を原則禁止とするほか、小中学校や大学は原則として閉鎖し、来月中旬まではオンラインなどでの授業に移行するとしています。

このうち、学校の閉鎖についてジョンソン首相は、子どもはウイルスに感染しても重症化しにくいとみられるとしたうえで、学校から家庭に感染を拡大させる可能性があると説明しました。

そして、「変異したウイルスを制御するためには、さらなる行動が必要だ。政府のウイルス対策は、もうたくさんだと感じているのはわかるがこれまで以上に団結すべき時だ」と述べて、理解を求めました。

イギリスでは、スコットランドも同様の措置を5日から始めることを発表するなど、全土で厳しい規制がとられることになります。