証券3社 “緊急事態宣言で影響も 中長期的には回復”

東京株式市場のことし最初の取り引きに合わせて、証券大手3社のトップがオンラインで記者会見を行い、緊急事態宣言が発出された場合の日本経済への影響について、短期的にはマイナスが避けられないとする一方、中長期的に見れば企業業績は回復に向かうという期待が示されました。

このうち、大和証券グループ本社の中田誠司社長は「緊急事態宣言が東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に出されれば、一定程度、個人消費などがマイナスになることは避けられない」と指摘しました。

そのうえで、「ことしの半ばごろからワクチンの効果が現れることをメインのシナリオとして想定しており、新年度=2021年度の企業業績は全体で今年度より4割以上の増益になると見ている」と述べ、中長期的な企業業績の回復に期待を示しました。

SMBC日興証券の近藤雄一郎社長も「仮に緊急事態宣言が1か月程度出された場合、年間のGDPを3.8兆円、0.7%押し下げると試算しているがワクチンの普及とともに企業業績も回復に向かうと考えている」と述べました。
また、野村ホールディングスの奥田健太郎社長は「緊急事態宣言の影響が、どのくらいの期間で出てくるかが短期的なポイントだ」と指摘したうえで「市場はアメリカ経済や、米中関係の動き、新興国とヨーロッパの経済がどう立ち上がってくるかにも注目している」と述べました。