「分散参拝」呼びかけ 初詣の人出が大幅減 周囲の店舗は苦境に

新型コロナウイルスの感染対策として初詣の「分散参拝」が呼びかけられる中、各地の神社では参拝する人が減り、周囲の店舗の売り上げは大きく落ち込んでいます。

毎年、正月三が日に30万人以上が訪れる東京 千代田区の神田明神は、例年身動きが取れなくなるほど大勢の人でにぎわいますが、日時を分散しての参拝が呼びかけられる中、ことしの元日から2日間の人出は例年と比べ大幅に少なくなっています。

神奈川県から訪れた30代の男性は「一日も早い新型コロナの収束を祈った。去年は参拝までに2時間かかったが、ことしは全く並ばず、お参りができた」と話していました。

この影響で、参道などにある神社周辺の店舗は売り上げが大きく落ち込んでいます。

神社の鳥居のすぐそばにある老舗の甘酒屋「天野屋」は、客の減少を見込んで、事前に仕込む甘酒の量を例年の2割程度に抑えていました。
しかし客は予想以上に少なく、2日までの2日間の売上げは、去年の10分の1程度になっているということです。

店のおかみの天野史子さんは「若い人はいるが高齢の方の姿がほぼ見えず、なかなか売れない。正月のかき入れ時に、この状況ではとても苦しい」と話していました。