「徴用」資産差し押さえに関する書類を「公示送達」韓国裁判所

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の裁判所は、被告の三菱重工業の資産の差し押さえに関する書類をホームページで公開する「公示送達」の手続きをとり、29日午前0時をもって、書類が日本側に届いたとみなしました。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所はおととし11月、被告の三菱重工業に対し、「女子勤労てい身隊」として過酷な労働を強いられたと訴えた韓国人女性らに賠償するよう命じる判決を言い渡しました。

これについて日本政府は、1965年の日韓請求権協定に基づき解決済みだとして、国際法違反の状態を是正するよう韓国政府に求めていて、三菱重工業も賠償に応じていません。

こうした中、韓国の裁判所はことし10月、三菱重工業が韓国国内で所有する商標権や特許権などの資産の差し押さえに関する書類をホームページに公開する「公示送達」の手続きをとりました。

そして、2か月後の29日午前0時をもって、資産の差し押さえを命じた決定書などが三菱重工業側に届いたとみなされました。

裁判所によりますと、差し押さえに関する書類のうち一部については、30日午前0時に届いたとみなされるということです。

これによって、原告側による「現金化」に向けた手続きが進んだ形ですが、韓国メディアは、さらに必要な手続きがあるため実際に「現金化」されるまでには時間がかかるという見方を伝えています。

「公示送達」の手続きは、日本製鉄の裁判でもとられています。

三菱重工業「即時抗告する予定」

三菱重工業は、「日韓両国間およびその国民の間の請求権に関する問題は、日韓請求権協定により『完全かつ最終的に解決』され、いかなる主張もできなくなったと理解している。政府間のやり取りの現状なども踏まえ、差し押さえ命令に対して、即時抗告をする予定だ」とコメントしています。