“コロナ感染で脳卒中になると重症化の傾向” 日本脳卒中学会

新型コロナウイルスの感染が脳卒中に与える影響を調査している日本脳卒中学会が中間報告をまとめ、感染して脳卒中になった人は感染がない場合よりも症状が重くなる傾向があることが分かりました。学会では「数は多くないものの基礎疾患がある人が発症する傾向があるので注意してほしい」と話しています。

新型コロナウイルスの患者では血の塊、血栓ができて血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす症例があると指摘されています。

このため日本脳卒中学会では、全国500余りの医療機関を対象に新型コロナウイルスに感染し脳卒中を発症した人の症例を調べた結果、ことし2月から今月18日までに報告があったのは22人で、このうち18人が脳梗塞だったということです。

欧米と比べると報告数は少ないものの、発症したのは高血圧や糖尿病などの基礎疾患のある人が多かったということです。

また、治療後の経過については5人が死亡し、10人が寝たきりになるなど重い障害が残ったということで、新型コロナウイルスに感染していない場合よりも症状が重くなる傾向があったということです。

調査を行った日本医科大学の木村和美教授は「新型コロナウイルスによって脳卒中が著しく増えるわけではないとみられるが、いったん起こすと重症化する傾向が見えてきた。基礎疾患がある人は特に感染に気をつけてほしい」と話していました。