変異した新型コロナウイルスについて、イギリス政府は、従来のウイルスに比べ、感染力が70%強いとみられ、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」を0.4、またはそれ以上、上昇させる可能性があるとしています。
変異したウイルスは、ロンドンや、イングランドの南東部などで今月に入り急速に拡大しています。
イギリスの国家統計局によりますと、これらの地域では、変異したウイルスへの感染が確認される割合は、従来のウイルスの2倍以上となっていて、感染が確認された人のおよそ3分の2を占めています。
イングランドでは26日から外出制限など厳しい規制の対象となる地域を拡大しているほか、北部スコットランドや西部ウェールズでも変異したウイルスが確認されていることから、警戒を強めています。

コロナ変異ウイルス 韓国でも検出 確認された国と地域は21に
各国政府などの発表によりますと、イギリスで確認された変異ウイルスは、日本以外では少なくとも21の国と地域で確認されています。
韓国の保健当局は28日、イギリスから韓国に6日前に入国した家族3人から変異ウイルスが検出されたと発表しました。
27日には、ノルウェーの保健当局が、イギリスから今月はじめに入国した2人から変異ウイルスが検出されたと発表したほか、中東のヨルダンも、イギリスから入国した2人の感染が確認されたことを明らかにしました。
また、カナダのオンタリオ州では、外国への渡航歴などがない2人から感染が確認されたことが明らかになっています。
一方、南アフリカでは、イギリスで確認されたものとは別の変異ウイルスが検出されていて、各国は水際対策を強化するなど対応に追われています。
変異したウイルス 感染力が70%強い

イギリスと同じ変異株

イギリス、アイスランド、イタリア、オランダ、デンマーク、オーストラリア、イスラエル、シンガポール、香港、ベルギー、ドイツ、スイス、レバノン、フランス、アイルランド、スペイン、スウェーデン、カナダ、ノルウェー、ヨルダン、韓国
別の変異株
南アフリカ。
(イギリスでも南アからの渡航者と接触した人で検出)。
(イギリスでも南アからの渡航者と接触した人で検出)。