外国人の新規入国停止に 成田は閑散 関空でも対応追われる

変異した新型コロナウイルスが各国で相次いで確認されている状況を受けて、政府は28日から全世界からの外国人の新規入国を停止しました。成田空港の国際線のロビーは閑散としていて、利用者からは今回の政府の措置に対してさまざまな意見が聞かれました。

政府は、変異した新型コロナウイルスが確認されたイギリスと南アフリカからの新規入国を停止していますが、ほかの国でも確認されている状況を受けて、28日から全世界からの外国人の新規入国を停止しました。

一方、中国や韓国など11の国と地域で実施しているビジネス関係者の往来は、引き続き認められます。

こうした中、成田空港の国際線のロビーは利用者がほとんど見られず閑散としていて、航空機の運航情報を伝える電光掲示板には「欠航」の文字が並んでいました。

成田空港では、入国制限の措置の緩和に伴って国際線の先月の利用者は14万5000人余りと、緊急事態宣言の直後、最も減少した5月の3倍近くに増えていました。

台湾に仕事で出張に行く38歳の日本人の男性は「海外では徹底した入国制限の措置が取られていたので、日本政府の今回の対応は遅かったと思います」と話していました。

ポルトガルに留学に向かう27歳の日本人の男性は「変異したウイルスがすでに国内で確認されていますが、今回の政府の措置は早い決断だったと思います」と話していました。

関西空港でも対応に追われる

政府が28日、全世界からの外国人の新規入国を停止したのを受け、関西空港でも検疫所や航空会社の担当者が対応に追われています。

政府はイギリスと南アフリカに加え、28日から来月末まで全世界からの外国人の新規入国を停止し、日本人や在留資格がある外国人に対しても外国への短期出張から帰国・入国した際、一定の条件のもと14日間の待機を免除している措置を停止するとしています。

関西空港を発着する国際線の旅客機は90%以上が減便となっていますが、検疫所では、変異したウイルスが確認されたと発表している国や地域から帰国・入国するすべての人に、現地を出国する前72時間以内に検査を受けて証明書の提出を求めるほか、入国時にも検査を実施するとしています。

一方、中国や韓国など11の国と地域で実施しているビジネス関係者の往来は、引き続き認められいて、検疫所はそれぞれの状況を確認しながら対応に当たっていました。

また、航空会社への問い合わせも多数寄せられていて、このうち、今月、およそ9か月ぶりにホノルル便を再開したハワイアン航空では、利用客から帰国時の手続きなどについての問い合わせが相次ぎ、担当者が対応に追われているということです。