Go To一斉停止 宿泊キャンセル相次ぎ 厳しい年末年始の温泉地

旅行代金の割り引きなどが受けられる「Go Toトラベル」の運用が28日から全国一斉に停止され、松山市の観光名所、道後温泉では停止期間中延べ2万6000人が宿泊の予約をキャンセルし、厳しい年末を迎えています。

松山 道後温泉 宿泊予約キャンセル 延べ2万6000人に

松山市の道後温泉の旅館やホテルは、例年この時期、県外の客を中心に予約でほぼいっぱいになりますが、今月14日に「Go Toトラベル」の一時停止が発表されてからはキャンセルが相次いでいます。

およそ30の旅館やホテルが加盟する「道後温泉旅館協同組合」によりますと、停止期間中の28日から来月11日までの予約をキャンセルした人は今月24日時点で延べ2万6000人に上っています。

このうち客室が70ある道後の旅館では、この期間中に入っていた予約の8割近くがキャンセルされました。

割り引きが適用された27日までは8割以上の部屋が稼働していましたが、28日は2割まで落ち込んでいます。

このため予約が特に少ない来月5日から7日までを急きょ、休館にすることを決めました。

「ホテル古湧園 遥」の新山富久支配人は「来月12日以降は、ぜひキャンペーンを再開してもらいたいが、もし感染状況が改善せず、さらに停止期間が延長されれば大変厳しい状況になる」と話していました。

大分 別府では落胆の声

「Go Toトラベル」の運用が28日から全国一斉に一時停止されたことを受けて、大分県別府市の観光名所では客足の落ち込みは避けられないと関係者から落胆の声が聞かれました。

別府市にある観光名所の1つ「海地獄」では、湯気の立ち上る青い色の源泉を見ようと例年、県外からの観光客などでにぎわいます。

「Go Toトラベル」が一時停止となった28日も家族連れなどが訪れていましたが、例年に比べると半数ほどにとどまっているということです。

「海地獄」は、新型コロナの影響で4月中旬からおよそ1か月半休園を余儀なくされましたが、「Go Toトラベル」の効果もあって先月以降は、例年の8割ほどまで入園者が回復していたということです。

一方、観光施設や飲食店などで使える「地域共通クーポン」は28日の分までは利用できるということで、園内の売店では、クーポンで土産物を購入する観光客も見られました。

「海地獄」の千壽智明代表は、「事業の一時停止で客足が遠のくのは避けられません。とにかくこれ以上感染が広がらないよう対策を徹底して、耐えるしかありません」と話していました。

北海道 函館朝市 観光客まばら

旅行代金の割り引きなどが受けられる「Go Toトラベル」の運用が28日から全国一斉に停止され、北海道函館市の観光名所「函館朝市」では訪れた人の姿はまばらで寂しい年の瀬を迎えています。

毎年、年末年始には大勢の観光客でにぎわう函館市の「函館朝市」では、観光客の姿はまばらで、寂しい年の瀬を迎えていました。

京都から観光で訪れたという60代の男性は「本当はあと3泊ほどする予定でしたが、Go Toトラベルが停止になったので予定を変更してきょう帰ります。年末年始は静かに過ごす予定です」と話していました。

「函館朝市」によりますと、Go Toトラベルで一時、例年並みまで客足が回復したということですが、ことし1年間では少なくとも4件の店が撤退や閉店を余儀なくされ、厳しい経営を強いられている商店も多いということです。

函館朝市協同組合連合会の藤田公人理事長は「本来は書き入れ時なので、Go Toトラベルの一時停止は非常に残念な気持ちです。来年はコロナが収束することを願って、それまで何とか持ちこたえていきたい」と話していました。

沖縄 国際通りも

「Go Toトラベル」が28日から全国一斉に一時停止されたのを受けて、那覇市の繁華街では観光客の姿がまばらとなり、早期再開を望む声が聞かれました。

那覇市の繁華街、国際通りは、例年、年末年始には多くの観光客でにぎわいますが、28日は訪れる人がまばらで、土産物店の中にはシャッターを下ろしている店舗も多く見られました。

沖縄の菓子を販売する店の平良優樹さんは「一時停止が発表されてからは客足が遠のいていて影響はかなり大きい。去年の今頃は大勢の観光客でにぎわっていたが、いまは見てのとおり、人通りが少ない状態です」と話していました。

また、泡盛の販売店の比嘉良一店長は「新型コロナウイルスでもともと客が少なくなっている中での一時停止で、苦しい状態が続いている。売り上げにも影響しているので早めの再開を望んでいる」と話していました。