新型コロナワクチン 世界各地で接種本格化 各国の状況は

EU=ヨーロッパ連合では、域内で初めて使用が許可された新型コロナウイルスのワクチンの接種が本格的に始まりました。感染力が強いとされる変異ウイルスが相次いで確認される中、感染拡大の抑え込みに期待が寄せられています。

EUが今月21日、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンに初めて許可を出したことを受けて、各国では27日、本格的に接種が始まりました。

フランスのパリ近郊の病院では国内で初めて78歳の女性がワクチンの接種を受けると、見守っていた関係者から拍手が送られていました。

フランスでの接種は高齢者施設の入所者や職員が優先され、その後に入所者以外の高齢者や医療従事者、そして来年の春からは一般市民にも行われる予定です。

ドイツでもワクチンの接種が全国規模で始まりました。

首都ベルリンで接種を受けた高齢者施設に入居する101歳の女性は「高齢者施設で多くの人が亡くなっているので、接種できるのはとてもよいことです」と話していました。

ヨーロッパ各国では変異ウイルスが相次いで確認され懸念が高まっていますが、WHO=世界保健機関は「今の段階で治療薬やワクチンの効果に大きな影響を及ぼしていない」とする見解を示しています。

EUは今回のワクチンも合わせて最大で20億回分を確保し、感染抑制の切り札として期待を寄せています。

UAEも接種本格化 サウジアラビアも開始発表

中東のハブ空港があるUAE=アラブ首長国連邦のドバイ首長国でも、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチン接種が本格化しています。

UAEのうちドバイ首長国では、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンの接種が6つの公立医療機関で始まり、27日、その様子が報道陣に公開されました。

医療機関では事前に電話で予約し接種の許可を得た高齢者や持病のある人が次々に訪れ、問診や簡単な検査を受けたのちに接種を受けていました。

接種に訪れた自営業のインド人男性(61歳)は「高齢になってきて、感染して重症化するのが恐ろしくて、予防のために接種に来ました。家族にも接種を勧めたいと思います」と話していました。

中東湾岸の産油国ではサウジアラビアやオマーンでもワクチンの接種の開始が発表されていて、ヨーロッパで変異ウイルスが相次いで確認される中、各国は対応を急いでいます。