年末年始は“コロナうつ”に注意 どうすれば防げる?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、精神的に落ち込むいわゆる“コロナうつ”を訴える人が増えているとして、医師は年末年始で生活リズムが一層乱れるおそれもあることから規則正しい生活や適度な運動を呼びかけています。

東京歯科大学市川総合病院の精神科部長、宗未来医師の元を訪れる患者の中には、新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が呼びかけられる中、心の不調を訴える人が増えているということです。

多くは在宅勤務が続いたり、感染をおそれて自宅に閉じこもったりして、生活にメリハリがなくなったのが原因とみられています。

感染の拡大が止まらないこの年末年始は、さらに自宅で過ごす時間が長くなり生活リズムが一層乱れるおそれもあるとして、規則正しい生活や適度な運動を呼びかけています。

具体的にはどうすれば?

▽毎日決まった時間に起きて寝る
▽昼寝はできるだけ避け、昼寝しても30分以内にとどめる
▽毎日できれば同じ時間帯に運動する
▽3密を避けて毎日一定の時間、屋外で過ごす
▽夜間にパソコンやスマートフォンの画面を見るのを避けるなど、体内時計を正確に働かせることが大切だということです。

親しい人とコミュニケーションを取るのも大切で、テレビ電話で会話をするなど感染防止の対策を取りながら交流するようアドバイスしています。
宗医師は「変化に弱いと思う人ほど睡眠、食事、運動など規則正しい生活を心がけてほしい」と話しています。

“コロナうつ”のサインは?

“コロナうつ”のサインや周りの人ができることなどを、医師がイラスト付きの解説でまとめたものもあります。

イラスト付きの解説を作ったのは、千葉大学の医師などで作るベンチャー企業「Smart119」です。
“コロナうつ”は日常生活に支障が出たらサポートが必要なサインだということで、恐怖や怒り・無気力を感じる、食欲不振や集中力・判断力の低下、それに体の痛みなど、心と体に変化が出るほか、アルコールやたばこの量が増えることにも注意が必要だということです。

対処法は? 周囲の人はどうすれば?

具体的な対処法は、バランスのいい食事や十分な睡眠をとること、ほかの人に相談する、薬物やアルコールを避ける、ストレッチや読書など自分がリラックスできることをするのも効果的だということです。

周りの人ができることとしては、話を否定せず耳を傾ける、原因を探すのではなく今できることを考える、そして励ますのではなく理解する、本人のペースが大切で無理に治そうとしないなどとしています。

「Smart119」の代表で千葉大学救急集中治療医学教授の中田孝明医師は「ストレスをできるだけ遠ざけ、好きなことをしてリラックスすることが大事です。異変があれば誰かに相談したり、専門家のカウンセリングを受けることも考えてほしい」としています。