英 変異ウイルス感染拡大 外出制限などの規制対象地域広げる

イギリスでは、変異した新型コロナウイルスの感染が広がるなか、外出制限などの厳しい規制の対象となる地域がさらに拡大され、警戒が強まっています。

イギリスでは、感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスの感染が拡大していて、ロンドンを含む南東部では今月20日から外出制限などの厳しい措置が続いています。

感染はほかの地域でも広がっていて、26日には、イングランドの南東部で外出制限などの対象地域がさらに拡大されたほか、北部のスコットランドや西部ウェールズなどでも同様の措置が始まりました。

26日はクリスマス翌日のボクシングデーと呼ばれる祝日で例年、多くの店が大規模なセールを行いますが、ことしは規制のため、小売店などは原則として営業できず、ロンドンの街なかは閑散としています。

イギリスでは、感染拡大を受けて、予定されていたクリスマスの時期の規制緩和も急きょ、大幅に縮小されたほか、南アフリカで見つかった別の変異したウイルスも確認されています。

1日に新たに感染が確認される人はここのところ、4万人近くにのぼる日もあるほか、入院している人の数は、ことし春のピーク時に迫っていて、警戒が強まっています。

変異ウイルスが確認された国と地域(海外)

イギリスで確認された変異ウイルスは、海外では少なくともイギリスを含め18の国と地域で確認されています。

26日にも、スペインのマドリード州がイギリスから帰国した人など4人から変異ウイルスが検出されたと発表したほか、スウェーデンの保健当局もイギリスから入国した1人の感染が確認されたことを明らかにしました。

さらにカナダのオンタリオ州も、外国への渡航歴などがない2人から、感染が確認されたと明らかにしました。

また、南アフリカでは、イギリスで確認されたものとは別の変異ウイルスが検出されていて、各国は水際対策を強化するなど対応に追われています。

【イギリスと同じ変異ウイルス】
イギリス、アイスランド、イタリア、オランダ、デンマーク、オーストラリア、イスラエル、シンガポール、香港、ベルギー、ドイツ、スイス、レバノン、フランス、アイルランド、スペイン、スウェーデン、カナダ

【別の変異ウイルス】
南アフリカ(イギリスでも南アからの渡航者と接触した人で検出)