新型コロナワクチンの接種100万回超に アメリカ

アメリカでは、新型コロナウイルスのワクチンの接種が、これまでに100万回を超えました。
今後、医療従事者や高齢者施設の入居者などへの接種が本格化するほか、段階的に警察官や消防士、さらに多数の人と接する労働者にも、接種の対象が拡大されることになっています。

“100万回以上接種”

アメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、12月23日現在、全米に946万回分以上の新型コロナウイルスのワクチンが供給され、100万8000回以上接種されたということです。

現時点で接種の対象となっているのは医療従事者と高齢者施設の入居者などで、民間団体の調査では全米で1700万人以上にのぼると推定されています。

ワクチン接種の担い手 大手の薬局チェーンも

アメリカでは高齢者施設などでのワクチン接種を、大手の薬局チェーンも担うことになっていて、今後、接種が本格化する見通しです。

CDCは今後、段階的に接種の対象を拡大し、次に接種が優先されるのは、警察官や消防士、75歳以上の高齢者、教師や食料品店の従業員といった多数の人と接する労働者などとされています。

激しいアレルギー反応の症状を示したケース6例報告

一方、これまでに接種を受けた人の中には、激しいアレルギー反応の症状を示したケースも6例報告されていて、CDCやFDA=食品医薬品局は、原因の調査を行うとともに、接種の際には必ず一定の時間は経過を観察しすぐに治療できる態勢を整えるよう求めるなど、接種を安全に行うための指針を公表しています。

来年2月末までに1億回分のワクチン供給を目指す

アザー厚生長官は、来年2月末までに製薬大手ファイザーと製薬会社モデルナの合わせて1億回分のワクチンの供給を目指していると明らかにしたうえで、現在臨床試験が行われている製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンやアストラゼネカのワクチンも加われば供給量はさらに増えるとして、国民に接種を呼びかけていくとしています。

接種した日本人医師「安心して接種してほしい」

南部テキサス州ヒューストンにあるベイラー医科大学セントルークス病院の感染症科に勤務する福田由梨子医師は、12月17日に1回目の接種を受けました。

福田医師によりますと、接種は毎日午前6時から午後10時まで予約が可能で、30分の枠に30人が予約でき、5人の看護師が次々と接種にあたっているということです。

この病院で接種を受けた医師は「ワクチンの接種を受けて、腕に少し痛みがありますが、それ以外問題はありません。ワクチンが使えるようになったのはとてもうれしいです。もっと多くの人に受けてほしいと思います」と話していました。

この病院では、年内に直接患者と接触する可能性のある医療従事者およそ数千人に1回目の接種を終える計画だということです。

福田さんは、「感染の危険にさらされながら働いてきた多くの医療従事者は、ワクチンが接種できるようになり喜んでいます。今後、一般の人に行き渡るようになったとき、どれくらいの人が接種してくれるか心配ですが、いま接種できるワクチンは有効性と安全性が確認されているので、安心して接種してほしいと呼びかけたい」と話していました。