コロナ変異ウイルス相次いで確認で水際対策強化へ

変異した新型コロナウイルスがイギリス以外でも相次いで確認されていることを受けて、日本政府は26日以降、水際対策をさらに強化する方針です。

厚生労働省によりますと、変異した新型コロナウイルスが見つかった南アフリカについて、イギリスと同様、日本時間の26日午前0時以降、日本人や在留資格を持つ外国籍の人を除いて新規の入国を拒否します。

▽日本人や在留資格を持つ人にもこれまで免除していた14日間の待機を要請し、▽日本人には、在留資格を持つ人と同様、現地を出国する72時間前までに検査を受けて証明書を提出するよう新たに求めるということです。

このほか、イギリスと南アフリカからの入国者には、検疫所が指定した宿泊施設で待機してもらい、入国の翌日から3日目に改めて検査を行います。

検査で陰性となっても入国の翌日から14日間は待機を求める方針です。

あわせてイギリスから到着する航空便については、1週間、新規の予約の受け付けを原則、停止し、その後も乗客の数を抑制してもらうよう各航空会社に要請しているということです。
また、同様に変異したウイルスが見つかったオーストラリアについても、入国する14日前までに現地に滞在していた人には、空港の検疫所で新たに検査を行うとしています。

変異したウイルス 全員イギリスから

厚生労働省によりますと国立感染症研究所では、空港の検疫所で感染が確認された人について、出国した国や地域にかかわらず検体の遺伝子解析を行っています。

12月12日から21日にかけて到着した人のうち感染が確認された68人について検体の遺伝子を解析した結果、5人から変異したウイルスが見つかり、全員がイギリスから到着していました。

国立感染症研究所の脇田隆字所長は、25日夜の会見で「空港検疫で確認されたので、真の意味で国内に侵入して流行が拡大していることではないと受け止めているが、病原性などわからないことがあるので、しっかり分析する必要がある」と述べ検疫以外で感染が確認された人について民間の検査会社からも幅広く検体を集め、解析を進める考えを明らかにしました。