社会

新型コロナ 現在の感染拡大 2つのクラスター起点に広がったか

新型コロナウイルスの現在の感染拡大は、わずか2つのクラスターを起点に広がったと見られることが、1万近いウイルスの遺伝子解析で分かったと国立感染症研究所が明らかにしました。解析した専門家は、イギリスで広がる変異したウイルスについても、国内で広がらないよう早急な対応が必要だとしています。
これは、国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターの黒田誠センター長が医療の研究に助成を行う国の組織、「日本医療研究開発機構」の記者会見の中で明らかにしました。

それによりますと、国立感染症研究所でことし10月までに国内で検出された1万近いウイルスの遺伝子を解析したところ、7月以降に広がった感染は、わずか2つのクラスターを起点に広がったと見られることが分かったということです。

遺伝子の解析からは、感染の第1波で広がったウイルスは、ほぼすべての感染の連鎖を断ち切ることができていて、外出の自粛やクラスターからの広がりを抑える対策が有効だったと見られるとしています。
黒田センター長は、第1波で残った2つのクラスターを早期に見つけ出し、対策を行っていれば、6月の段階で感染を抑え込めた可能性があるとしています。

そのうえで、イギリスで広がっている感染力が強いとされる変異したウイルスも国内で広がらないよう対応が必要だとしており、黒田センター長は、「日本でいま広がっているウイルスに比べて、多くの種類の変異が見られる。早急に対応しなければならない対象で国内や空港検疫で見つかるウイルスを注視していきたい」と話しています。

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