学術会議の在り方「今の組織形態こだわらず検討を」科学技術相

日本学術会議の在り方をめぐり、井上科学技術担当大臣は梶田会長と面会し、より役割を果たせるよう今の組織形態にこだわらずに検討することなどを求めました。学術会議側は、今後さらに検討を進め来年4月に報告することになりました。

日本学術会議の在り方をめぐり、所管する井上科学技術担当大臣は24日午後、学術会議の梶田会長と面会しました。

この中で井上大臣は、学術会議がまとめた中間報告を踏まえ、
より役割を果たせるよう、今の組織形態にこだわらず検討することや、助言機能を強化し、会員の選考プロセスの透明性を向上させること、それに、3つの部の会員の比率の在り方などを幅広く検討するよう求めました。

これに対し梶田会長は、より具体的な改革案について、今後さらに検討を進め来年4月に総会を開いたうえで報告する考えを示したということです。

このあと井上大臣は、記者団に対し「組織形態については現状ありきではなく国民の期待に応え、ナショナルアカデミーとしての機能を発揮するためには、どういう在り方がいいのかゼロベースで考えてもらいたい。4月の報告を期待したい」と述べました。

学術会議「われわれの検討 よく理解したものに」

日本学術会議は、井上大臣との面会のあとの記者会見で「われわれがこれまで検討してきた内容をよく理解していただいたものになっていて、ストレートに受け取れる内容だった。ただ、一部にこれまで十分に検討できていない項目も含まれていて、会員の意見を聞き取って検討を進めていきたい」と話しました。

学術会議 大西元会長「非常にわかりにくい」

2017年まで6年間、学術会議の会長を務めた東京大学の大西隆名誉教授は、「5年前に政府の有識者会議から出された提言に基づいて学術会議は改革を進め、会員の女性の比率を高めたり、地域バランスを改善したりと一定の成果を上げている。また、組織の形態について、有識者会議はこの時、今の形がいちばんよく、変える積極的な理由はないと提言しており、改革がどこまで進んだのかを分析することなく、いったん肯定されたものを否定するところから議論されていて、非常にわかりにくい」と話しています。

そのうえで、「いちばんの問題は、菅総理大臣が、これまで一貫してきた政府の見解と異なる判断をして任命を拒否したのに、その理由を説明していないことだ。それを隠すかのように設置形態の議論を始めているのではないかという疑問は拭いきれず、一般の人にもわかりにくいのではないかと思う」と話していました。

有識者「まずは任命問題の解決を」

文部科学省で日本の科学技術政策に長く携わった経験がある國谷実さんは、「今回のことは、現状の国の機関では政府からの独立性が十分に担保されていないことが明らかになったと考えられ、別の組織にすることを含めて検討する必要性がある。ただ、任命の問題をこのままにしておくと話し合いが進まないことも想定され、まずは政府は任命問題を解決してから会議の在り方を検討することがベストだ」と指摘していました。