お年玉がお盆玉に?

お年玉がお盆玉に?
ことしも残すところあとわずかとなりました。

お正月に、子どもが楽しみにしているものといえば、そう、お年玉です。

あげるほうの大人にとっては楽しみばかりとは言えないかもしれませんが、コロナの影響で帰省もできず、親戚にも会いにいけない。
大変だったこの一年、せめて子どもたちにお年玉だけでも渡してあげたいとは思いますが…。皆さんはどうします?

(スポーツニュース部 記者 清水瑶平 舟木卓也 ネットワーク報道部 記者 成田大輔)

お年玉がもらえない…

12月下旬。ツイッターには、お年玉をめぐる嘆きがあふれています。
大事な収入源となる、お年玉が減る。そんな事態が起きているというのです。

子どもたちにとっては深刻な問題です。

“あげる予定なし”増加

それを裏付けるようなデータがあります。

住信SBIネット銀行が、12月上旬にインターネットで行ったアンケート調査。顧客3211人が回答しました。

来年のお正月に「お年玉をあげる予定がない」という人が、去年より6ポイント余り増えたのです。
背景には、やっぱりコロナの影響がありそうです。

調査では、お正月を「例年と違う過ごし方をする」という人が40%を超えました。

多かったのは、帰省や親戚に会うのを控えるという意見でした。

“お盆玉”に取って置きます

お年玉を取りやめるという人に話を聞くことができました。

広島市に家族4人で暮らす42歳の男性です。

毎年、きょうだいの家族が遊びに来ていて、おいとめい合わせて7人に1人3000円ずつ渡していました。

しかし、きょうだいで話し合い、この年末年始は帰省もお年玉も取りやめることに。
その代わり、次に会えたときに、「おゴールデンウィーク玉」か、「お盆玉」として渡すつもりです。
男性
「今まで当たり前のように集まっていたのですごく不思議な感覚です。コロナの収束の見通しが立たない中、『おGW玉』も『お盆玉』も危ういと感じています。ただ毎年子どもたちは楽しみにしていたはずでしたから、何らかの機会で渡せたらと思っています」

会えないならキャッシュレス

一方で、じわじわと広がっているのがお年玉の「キャッシュレス化」です。

スマホのQRコード決済や電子マネーで、離れたところにいる親戚に自宅からお年玉をあげる人が増えているんです。
住信SBIネット銀行の調査では、今回、おいやめいにお年玉を現金以外で渡すという人が全体の4%。まだまだ現金が主流ですが、現金以外とした割合はこの2年間で2倍以上に増えています。
住信SBIネット銀行 担当者
「お年玉を直接渡すというのは大事なコミュニケーションだが、やむをえずに電子マネーなどに切り替えて、『意外と便利だ』と感じる人も多いかもしれない。これを機にキャッシュレス化が加速する可能性はある」

キャッシュレスお年玉 賛成派も増加

お年玉を現金以外で送ることへの抵抗感も少なくなってきているようです。

金融セミナーを行う「ファイナンシャルアカデミー」が、11月、子どもがいる男女300人に聞いたインターネット調査です。
お年玉のキャッシュレス化について尋ねたところ、今回、賛成の割合が51%と、3回目にして初めて反対を上回りました。

ここでもコロナが大きな要因になっています。

感染防止や帰省ができないことを理由にあげた人は14%に上りました。

7万円分チャージした人も

お年玉をキャッシュレスで送ろうと準備している人にも話を聞きました。

北海道の石狩地方に住む30代の女性です。

きっかけは、今回、帰省を見送った親戚の子どもたちとテレビ電話をしたことでした。
女性:ことしは親戚一同、コロナで会えないし、お年玉は無しだねー。

子ども:PayPayとかでもいいよー!
女性によると、ふだんのお正月は、北海道に帰省してきた親戚と一緒に温泉に行くのが恒例で、子どもだけでも10人以上集まるそうです。

この年末年始はにぎやかではなくなり、会えない寂しさはあるものの、今回ばかりはしかたがないという思いもあるようです。
女性はお年玉に備えて、スマートフォンの決済アプリに7万円分をチャージしました。
女性
「離れていても、子どもたちに『好きに使いな』と渡せるのはいいのかなと思います。ワクチンができてからでも会えるし、もう少し我慢しようと思います。ただ、毎年これになると寂しい気もします」

変わるお年玉 お金とのつきあい方考えて

一方、キャッシュレスのお年玉に反対する人たちが、最も多く理由にあげたのは、「お金のありがたみや価値がわからない」ということでした。
お金を扱う手触りが感じられず、正しい金銭感覚が身につかないのではないかと懸念しているようです。

どう考えればいいか、調査を行った会社に聞いてみました。
福田祥子さん
「たしかにスマホ上での単なる数字の増減だと捉えてしまう危険性はあります。だからこそ、お金とのつきあい方をしっかり考えてもらう必要があるんです」
子どもの金融教育を担当する福田さんが提案するのは、買い物をする前に「お小遣い帳」などでしっかり計画を立てることです。

ひとつひとつの買い物について「自分にとって価値があるかどうか」を考えることで、たとえキャッシュレスであっても金銭感覚を身につけることができるといいます。
ファイナンシャルアカデミー 福田祥子さん
「お給料も現金手渡しが当たり前だったころから振り込みに変わりましたし、時代の変化に伴ってお年玉も変わるのは必然です。時代に応じてお金を正しく扱える力が必要なんです」
お年玉のキャッシュレス化が進むと、「直接会えない親戚にもみんなお年玉を送らないといけなくなり、出費が増えてしまうのでは」

大人からはそんな懸念も聞こえてきそうですが、それも時代の変化なのかもしれません。

子どもと一緒に改めてお金の価値と向き合ってみる。

コロナ禍のお正月は、そうした機会にしてみてはいかがでしょうか。