大阪 西成あいりん地区 年末年始臨時宿泊施設の受け付け始まる

日雇い労働者が多く集まる大阪 西成区のあいりん地区で、年末年始に提供される臨時宿泊施設の受け付けが始まり、新型コロナで仕事を失うなどした多くの人が訪れています。

大阪市は毎年、仕事が少なくなる年末年始に、あいりん地区で臨時の宿泊施設を提供していて24日から利用希望者の受け付けが始まりました。

宿泊施設には朝から多くの人が訪れ、市の職員が一人一人の事情を聞き取って申込書に記入していました。なかには新型コロナの影響で、いわゆる「派遣切り」にあい、ことし初めて利用するという60代の男性もいたということです。

利用が決まった人は、今月29日の午後から来年1月4日の朝まで施設に宿泊し食事の提供を受けることができます。

新型コロナウイルスの感染対策として施設では、定期的な検温を実施するほか、飛まつ防止用のカーテンがついたベッドを用意し、利用者が発熱した場合には別区画のベッドを利用してもらうということです。

申し込みに訪れた64歳の男性は「年末年始は、なかなか仕事が見つからないので感謝しています。コロナ対策もしているので安心です」と話していました。

臨時宿泊施設の利用申し込みは、24日から今月29日の正午まで受け付けています。

困窮相談倍増 若い世代も

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、大阪のNPO法人には仕事を失ったり、住む家をなくしたりした人たちからの相談が相次いで寄せられています。

大阪 西成区のNPO法人「生活支援機構ALL」は失業した人たちの相談を受け、住まい確保の支援や生活保護といった支援制度の紹介を行っています。NPO法人によりますと、相談件数は緊急事態宣言が出されたことし4月ごろから大きく増え、先月と今月は去年の同じ時期の2倍を超えているということです。

20代や30代など、仕事を失った若い世代からの相談が目立ち、「再就職をしようにも面接に行くお金すらない」といった声も寄せられているということです。

「生活支援機構ALL」の坂本慎治代表理事は「コロナの影響が長期化する中、今後も倒産する企業などが出て生活に困る人が増えてくると思う。年末年始は対応する窓口が少なくなるので、今のうちに相談に来てほしい」と話していました。

このNPO法人では年末年始も相談を受け付けています。
電話番号は0120-705-119です。