変異ウイルス 英から仏の入国一部再開 航空機制限はアジアにも

変異した新型コロナウイルスの感染拡大の影響で停止されていたイギリスからフランスへの入国は、23日、一部で再開されました。一方、各国の警戒は続いていて、イギリスからの航空便の受け入れを停止する動きはアジアにも広がっています。

変異した新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、フランスはイギリスからの入国を停止していましたが、22日、両政府は一定の条件でフランスへの入国を認めることで合意し、23日、一部で入国が再開されました。

フランス政府は、EU=ヨーロッパ連合の加盟国の国民や、EU各国に在住し、一時帰国中のイギリス国民、それにトラックの運転手は、ウイルスの検査で陰性であれば入国を認めるとしています。

フランスは、物流の大動脈であるドーバー海峡を挟んでヨーロッパ大陸の玄関口となっていて、現地メディアによりますと、ドーバー海峡のイギリス側では、5000台以上にのぼるとみられるトラックが依然、立往生しています。

また現地メディアは、
▽イギリス政府は軍などを投入して、複数箇所で検査を行う予定だとしたうえで、
▽運輸相の話として、混雑の解消はクリスマスまでかかる可能性があると伝えています。

変異ウイルスを警戒する動きは各国で続いていて、公共放送BBCによりますと、50を超える国や地域がイギリスからの航空便の受け入れを停止するなどの措置をとっています。

▽日本政府も23日、イギリスからの新規の入国を拒否するなど、新たな措置を実施すると明らかにしたほか、
▽韓国政府とフィリピン政府は、イギリスとの間の便などの一時的な運航停止を決めました。

一方、アメリカは追加的な制限措置をとっておらず、政府の対応について、アメリカ東部ニューヨーク州のクオモ知事はツイッターに「変異した新型ウイルスによって歴史を繰り返してはいけない」と投稿するなどして、この春の対応の遅れがアメリカ国内での感染の拡大を招いたとして対策の強化を求めています。