アニメ市場規模 去年過去最高の2兆5000億円もことしは縮小か

去年のアニメ産業の市場規模は、「海外展開」をはじめ「映画」や「配信」が好調で、2兆5000億円余りと過去最高を更新しました。一方、ことしの景況感について、調査に回答したアニメ制作会社の7割が「悪い」「やや悪い」とするなど、新型コロナウイルスの影響による市場規模の縮小は避けられない見通しです。

アニメーションの制作会社などで作る日本動画協会は、22日夜の報告会で、国内のアニメ関連会社およそ170社を対象に算出した去年のアニメ産業の市場規模を発表しました。

それによりますと、市場規模はおととしを3300億円ほど上回って2兆5112億円となり、7年連続で過去最高を更新しました。

「テレビ」や「映画」など9つある調査項目のうち、海外での映画の上映やゲーム販売などの「海外展開」が1兆2009億円と全体の半分近くを占め、「映画」や「配信」も過去最高となりました。

一方、ことしの景況感について尋ねたところ、回答した50社のうち、「悪い」が12社、「やや悪い」が23社と合わせて7割に達しました。

新型コロナウイルスの影響について、日本動画協会は、家でアニメを見る時間が増えて今後需要が拡大する可能性が十分にあるとしながらも、映画やライブイベントなどが大きな打撃を受け、市場規模の縮小は避けられない見通しだとしています。

調査結果を発表した「アニメ産業レポート」の増田弘道編集統括は「去年に関しては予想に反して過去最高となり、非常によかったと思います。ことしはライブやコンサートが壊滅的ですが、『鬼滅の刃』のヒットもあり、大幅な落ち込みにはならないのではないか」と話しています。