障害者福祉施設の3割 年末年始の帰省 中止か制限 北海道 釧路

北海道の障害者福祉施設で新型コロナウイルスの集団感染が相次ぐ中、釧路市内の居住型の施設のおよそ3割が、入所者の年末年始の帰省を中止、または制限する対応をとることが分かりました。

北海道では、旭川市の「北海道療育園」で大規模なクラスターが発生するなど、各地の障害者福祉施設で感染が相次いでいます。

釧路市内ではクラスターが発生した施設はありませんが、NHKが、市内にある94の居住型施設に対策を尋ねたところ、およそ3割にあたる30施設が、外からのウイルスの持ち込みを防ぐため、入所者の年末年始の帰省を中止したり、制限したりする対応をとることが分かりました。

内訳は、外泊を中止する施設が17、日数や行き先などに制限を設ける施設が13となっています。

入所者にとって正月の帰省は家族と過ごすことができる数少ない機会ですが、こうした制限でストレスがたまり、心身の健康に影響が出ないか懸念されています。

一方、施設側も年末年始に出勤する職員の数を増やして対応にあたるということです。

およそ90人が入所する釧路市の「おんべつ学園」の藤川岳統括施設長は「帰省を楽しみにしている入所者も多く、悩んだが、家庭での対策が万全とは限らないので中止することにした。ストレスで利用者どうしの言い争いや暴力的な行動などが増えないか心配だ」と話しています。