国の来年度予算案 国債で賄う割合40%超 事業の実効性問われる

21日閣議決定された国の来年度予算案は、一般会計の歳出が過去最大に膨らむ一方、歳入全体のうち国債で賄う割合は7年ぶりに40%を超えました。
これ以上の財政の悪化を食い止めるには、景気の回復が欠かせず、予算に盛り込まれた事業の実効性が問われますが、新型コロナウイルスの収束のめどが立たない中、難しいかじ取りが続きます。

国の来年度予算案は、社会保障費の増加や新型コロナウイルスへの対応などで一般会計の総額で106兆6097億円と、今年度の当初予算を4兆円近く上回り、過去最大となりました。

一方、歳入をみますと、税収は今年度の当初予算より6兆円余り少ない57兆4480億円、新規の国債の発行額は、11兆円余り多い43兆5970億円としています。

その結果、歳入全体のうち国債で賄う割合は40.9%と、当初予算の段階としては7年ぶりに40%を超え、財政状況は一段と深刻化しています。

政府は、切れ目のない支援が必要だとして先週、決定した今年度の第3次補正予算案とあわせた「15か月予算」の考え方で感染拡大防止策や、ポストコロナに向けた経済構造の転換を目指した事業を盛り込んだことから、来年度の終わりには、GDP=国内総生産はコロナ前の水準に回復することが見込まれるとしています。

ただ、感染が想定以上に拡大し、経済活動が大きく停滞すれば、税収が下振れするおそれもあります。

これ以上の財政の悪化を食い止めるには、景気の回復が欠かせず、事業の実効性が問われることになりますが、新型コロナウイルスの収束の見通しが立たない中、難しいかじ取りが続くことになります。