イギリス コロナ拡大で外出制限“変異ウイルス” 周辺国も対応

イギリスでは、ロンドンなど南東部で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受け、20日から外出制限などの厳しい対策が始まりました。感染力が強いとされる、変異したウイルスが広がっているとみられ、周辺の国々はイギリスからの旅客機の受け入れを禁止するなど、対応に乗り出しています。

イギリスでは、首都ロンドンを含む南東部で、変異した新型コロナウイルスによって感染が急速に拡大しているとみられることから、この地域では▽正当な理由がないかぎり外出を控えることや、▽小売店は生活必需品を販売する店を除いて原則として営業しないことなどを求める厳しい対策が20日から始まりました。

ロンドンでこうした厳しい対策がとられるのはこの春以来3回目で、20日の中心部は、クリスマスの買い物客でにぎわっていた前日までとは一転して、閑散としていました。

ハンコック保健相は20日、地元テレビの番組で、「変異型のウイルスを制御できなくなった」と述べ、厳しい対策への理解を求めました。

イギリス政府は、変異したウイルスは感染力が強いとみられるものの、重症化のリスクが高まることを示す根拠はないとしています。

ヨーロッパ各国で対応相次ぐ

イギリスで、変異した新型コロナウイルスによって感染が急速に拡大しているとみられることを受け、ヨーロッパ各国は相次いで対応に乗り出しています。

▽オランダは20日、イギリスからの旅客機の受け入れを来月1日まで禁止する措置を始めました。

また、▽ドイツも21日から今月末まで同様の措置を取ることを決めたほか、▽海底トンネルでイギリスとつながるフランスも21日から2日間、イギリスからの渡航や貨物の輸送を空路、陸路ともに停止することを決めました。

さらに、▽ベルギーやオーストリアも同様の措置を始めるとしています。

各国が相次いで対策を打ち出したことを受けて、EUは20日、加盟国の間で素早い情報共有や政治決定を行うための緊急態勢をとることを決め、まずは週明けに専門家による会合を開いて状況の分析を急ぐことにしています。

クリスマス休暇を前に人の往来が増えると予想されることから、ヨーロッパ各国は神経をとがらせています。