オーストラリア コロナ感染者が増加 国内移動に隔離義務づけも

オーストラリアでは、最大都市シドニーの周辺で新型コロナウイルスの感染者が増えていて、シドニー周辺から国内の別の州を訪れる人に対し、2週間の隔離措置を義務づける動きが出ています。

南半球のオーストラリアでは、今月はじめから2週間以上、海外からの入国者を除き、新たな感染者は確認されていませんでしたが、ここ数日、シドニー周辺の一部の地域で感染者が確認され、地元のニューサウスウェールズ州政府は20日、新たに30人の感染者が確認されたと発表しました。

このため、州政府はシドニーとその周辺地域について、20日夜から飲食店に入店できる人数を制限するなど、規制を強化するとしています。

ニューサウスウェールズ州のベレジクリアン首相は、記者会見で「最も重要なのは、感染拡大をできるかぎり防ぐために適切に行動することだ」と述べ、住民に理解を求めました。

また、隣接するビクトリア州やクイーンズランド州などは、シドニーとその周辺地域から州内に人が移動するのを原則禁止し、やむをえず訪れる場合は14日間の隔離を義務づけると発表しています。

オーストラリアで1日の感染者が最も多かったのは、ことし8月のおよそ700人で、現在はその20分の1程度にとどまっていますが、各州政府としては、早い段階で規制を強化し、感染が広がるのを抑え込みたい考えです。