京都の本願寺や日光の東照宮で「すす払い」

京都の東と西の本願寺で、お堂にたまった1年のほこりを払う「すす払い」が行われました。
また世界遺産に登録されている栃木県日光市の東照宮でも「すす払い」が行われました。

京都 東本願寺

京都市の本願寺のすす払いは新年を迎える準備として行われている年末の恒例行事で、室町時代から500年以上続くとされています。

このうち下京区の東本願寺では僧侶や門徒などおよそ90人が参加しました。

広さ900畳余りの御影堂では、かっぽう着姿の参加者が、畳をほうきで掃いたり雑巾で拭いたりして、ほこりや汚れをきれいに落としていました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ことしは参加者や掃除の時間を半分ほどに減らしたほか、畳を竹の棒でたたく掃除は取りやめたということです。

最後に大谷暢裕門首が天井からつるされた大きな布に長さ3メートルほどの竹で「寿」の文字をなぞり、新年を迎える準備を整えました。

参加した京都市内の50代の男性は「コロナの収束を願って皆さんが祈りをささげてきた場所なので、来年に向けて新たに心をひとつにしてもらいたいと思って参加しました。一日も早く平穏な日が戻ってほしいです」と話していました。

日光 東照宮 陽明門

日光市の東照宮では毎年、新年を前にしたこの時期に江戸時代の貴重な建物などのすす払いを行っています。

このうち高さおよそ11メートルの国宝の陽明門では、「浄衣」と呼ばれる衣装に身を包んだ神職とはかま姿のみこ、合わせて4人がすす払いを行いました。

神職たちはささの葉を束ねて長さ5メートルほどの竹の先に取り付けた「ささぼうき」を使い、龍や唐獅子などのきらびやかな彫刻にたまったほこりなどを丁寧に払い落としていました。

東照宮の神職の山作良之さんは「ことしは感染症の流行などもありましたので、そういったよくないものを吹き払うような気持ちで行いました」と話していました。

東照宮では、初詣の時期の新型コロナウイルス対策として、参拝者どうしが近づきすぎないよう放送で呼びかけるほか、祈とうの際には、社殿に上がる人を代表者のみとするようお願いするなどの対応をとるということです。