中国 開発中のワクチン緊急投与「問題ない」 投与対象拡大へ

中国の製薬会社が開発を進める新型コロナウイルスのワクチンについて、中国政府は、これまでに国内で100万回以上の緊急投与が行われたものの目立った問題は起きていないとして、今後、投与の対象を拡大させる方針を示しました。

中国政府は19日、記者会見し、国内で開発中の新型コロナウイルスのワクチンの開発状況について説明しました。

この中で、国家衛生健康委員会の鄭忠偉主任は、国有企業「シノファーム」と製薬会社「シノバック」が開発する合わせて3種類のワクチンをことし7月から、国内の医療従事者などに100万回以上、緊急投与し、「これまでのところ目立った問題は起きていない」と述べました。

ただ、これらのワクチンを含め、最終段階の臨床試験が行われている5種類のワクチンはいずれも中国国外で臨床試験が行われていますが、今までのところ国内で承認される段階には至っていないとしています。

また、別の幹部は、開発中のワクチンに一定の安全性が認められるとして、今後、食品市場や公共交通機関のスタッフなど感染リスクが高い人たちに緊急投与の対象を広げる方針を示しました。