新型コロナで仕事を失った人などの相談会 東京 日比谷公園

年末年始を前に新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人などの支援につなげようと労働組合やNPOなどによる相談会が東京 日比谷公園で開かれました。

相談会は労働組合やNPOなどで作る支援グループが東京 千代田区の日比谷公園で開いたもので、失業や収入の減少で生活に困窮する人が相次いで訪れました。

このうち、いわゆるフリーランスとして働く50代の男性からは「運転手の仕事をしているが、感染拡大の影響で仕事が大幅に減ってしまい精神的に不安だ」などという相談が寄せられ、相談員はできるだけ早く医師の診察を受けたほうがいいとアドバイスしていました。

女性専用の相談窓口も設けられ、女性のスタッフが訪れた人たちの相談に応じていました。

また、午前と午後、お握りや果物などの食料が合わせて400人分用意され、支援を求める人たちが受け取っていました。

日比谷公園では2008年から2009年にかけての年末年始に、リーマンショックの影響で仕事を失った人などを支援する「年越し派遣村」が開かれ、生活相談や炊き出しなどが行われました。

全労連の黒澤幸一事務局長は「新型コロナウイルスの影響で、非正規雇用で働いていた女性が仕事を失い追い詰められるケースが多くなっている。生活に困っている人も安心して新年を迎えられるように支援をしていきたい」と話していました。

相談会を行った労働組合やNPOなどでは、年末年始も支援が途切れないようにするため、相談会や食料の配布などに引き続き、取り組むことにしています。

40代男性「コロナ影響で仕事失う」

相談に訪れた埼玉県に住む40代の男性は、アルバイトや派遣で事務作業などの仕事をしていましたが、新型コロナウイルスの影響でことし3月からは仕事がなくなったということです。

その後、仕事ができない期間が続きましたが10月からはアルバイトで1か月間働くことができましたが今月上旬から再び仕事がない状態ということです。

ことし1年間の収入はおよそ30万円しかなく家族に頼るしかないといいます。

男性は「一緒に暮らす兄には経済的に迷惑をかけていて申し訳ない気持ちです。以前は派遣労働者として働いていましたがリーマンショックで仕事を失いました。その後、安定した仕事に就きたいと思いましたが、正社員として働くことができずアルバイトなどを続けてきました。感染拡大の影響でハローワークでも、仕事はないと言われ、困っています」と話していました。

30代男性「仕事したくてもできない」

さいたま市から訪れた30代の男性は生活保護を受けていて、自立に向けてことし2月からは飲食店でアルバイトを始め、1週間に4日ほど働いていました。

しかし新型コロナウイルスの影響で、4月に店から「しばらく休んでほしい」と言われ、そのまま仕事をやめることになりました。

男性はおよそ10年前からうつ病などに悩んでいるということで、これまで複数のアルバイトの仕事をしてきたということです。

男性は「求人誌も薄くて企業に問い合わせても断られてばかりです。安定した仕事を見つけたいのですが、新型コロナウイルスの影響でそれも難しい状況だと感じています。仕事をしたくてもできない人が増えていると思うので、国には支援などを検討してほしい」と話していました。