新型コロナ陽性の仏大統領と接触 欧州首脳が相次ぎ自主隔離

フランスのマクロン大統領が新型コロナウイルスの検査で陽性となり、7日間の隔離に入りました。仕事は遠隔で続けるとしていますが、ここ数日、マクロン大統領と接触する機会があったヨーロッパの首脳が相次いで自主隔離をする事態になっています。

フランス大統領府は17日、マクロン大統領に新型コロナウイルスの初期症状が見られたため、PCR検査を行ったところ陽性と判定されたと発表しました。

マクロン大統領は7日間の隔離に入り、職務は遠隔で続けるとしていて、発表のあとも会議にオンラインで参加する姿を見せていました。

一方、ヨーロッパでは、ここ数日、マクロン大統領と接触する機会があったEU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領やスペインのサンチェス首相、ポルトガルのコスタ首相らが相次いで自主隔離をする事態になっています。

さらに、マクロン大統領は16日に与党の幹部や大統領府の高官ら十数人と会議を兼ねた夕食会を開いていたことが明らかになっていて、参加者のうち、カステックス首相や議会下院のフェラン議長らが7日間の自主隔離に入りました。

地元メディアは、関係者の話として夕食会では出席者の間で距離を取るなど感染対策をとっていたと伝えています。

ただ、フランス政府は感染が再び拡大しかねないとして7人以上の大人が集まって食事をするのは避けるよう呼びかけているだけに、軽率な行動でなかったか、疑問の声も出ています。

マクロン大統領の体調「咳と重度の疲労がある」報道官

フランス政府のアタル報道官は17日夜、地元のニュース専門チャンネルの番組に出演し、マクロン大統領の体調について「咳と重度の疲労がある」と説明しました。

そのうえで、「大統領は仕事に全面的に取り組んでいる。闘志は失われていない」と強調しました。

また、マクロン大統領の妻のブリジットさんは症状はなく、検査で陰性だったことも明らかにしています。

これまでも各国首脳が感染

これまでも世界各国の首脳や王室の関係者などの要人が、新型コロナウイルスに感染してきました。

▽3月には、イギリスのジョンソン首相(56)が感染し、一時、容体が悪化し、集中治療室で処置を受けました。

▽7月には、ブラジルのボルソナロ大統領(65)と、ベラルーシのルカシェンコ大統領(66)が、感染していたことが相次いで明らかになりました。

▽10月には、選挙活動をしていたアメリカのトランプ大統領(74)が感染し、軍の病院に3日間入院しましたが、抗体医薬によって体調が改善したとして、退院しました。当時は、メラニア夫人や大統領の顧問など、ホワイトハウスの関係者の間で、感染が広がりました。

各国の首脳のほかに、▽3月にはイギリスの王位継承順位1位のチャールズ皇太子(72)の感染が明らかになったほか、▽4月にはイギリスのメディアがウィリアム王子(38)が感染し、一時呼吸をするのも苦しい状態となっていたと、伝えました。