社会

子どもの自殺 増加続く 6か月連続で前年上回る

先月、全国で自殺した小中学生と高校生は合わせて48人で、去年の同じ時期より22人増え、6か月連続で前の年を上回りました。相談機関では新型コロナウイルスが広がる中での冬休みに、1人で思い詰める子どもが増えるおそれがあるとして「誰かにまず話をしてほしい」と呼びかけています。
厚生労働省が発表した統計によりますと、先月、全国で自殺した小中学生と高校生は暫定値で合わせて48人で、去年の同じ時期と比べて22人、率にして84.6%増加しました。去年を上回るのは6月以降、6か月連続です。

また、4月から11月までの期間で見ると、ことしは329人と去年の256人より73人、率にして28.5%増加しました。

小中、高校別では、
高校生が237人、
中学生が84人、
小学生が8人と、
いずれも去年の同じ時期を上回っています。

SNSなどで相談活動を行うNPO「東京メンタルヘルス・スクエア」の新行内勝善カウンセリングセンター長は、新型コロナウイルスによる社会の変化の影響を受けて、ストレスを抱えて思い詰める子どもが多いのではないかと指摘します。

そのうえで「冬休みも行動を制限されてストレスを発散できず、行き詰まる子どもが出てくると懸念している。休み中でも自治体や民間の機関でSNSを使うなどして相談を受け付ける場もある。自分が楽な方法でいいので、誰かにまず話をしてほしい」と呼びかけています。

「誰かにまず話をして」

SNSなどで心の悩みに関する相談を受け付けているNPO「東京メンタルヘルス・スクエア」にも、子どもからの相談が相次いでいるということです。

新行内勝善カウンセリングセンター長は「子どもたちは新型コロナウイルスによる社会の変化の影響を強く受けている。本人はもちろん、親の生活も大変な状況になり、思い詰めてストレスを抱えている子どもが多いのではないか」と分析しています。

そのうえで「冬休みも行動を制限されてストレスを発散できず、行き詰まる子どもが出てくると懸念している。特に虐待や貧困といった、家庭の状況が複雑な子どもは心配だ。休み中でも自治体や民間の機関でSNSを使うなどして、相談を受け付ける場が整備されてきている。悩みを抱え込むのはつらい。自分が楽な方法でいいので、誰かにまず話をしてほしい」と呼びかけています。

「東京メンタルヘルス・スクエア」では、年末年始も休みなく毎日、正午から午後9時までSNS相談を受け付けていて、今月26日から27日にかけては、夜通しで相談を受け付けるということです。

LINEとTwitter、それにFacebookから、いずれも「@kokorohotchat」でID検索が行えます。

相談先の案内

●24時間子供SOSダイヤル(年中無休)0120ー0-78310(なやみ言おう)
※全都道府県および政令指定都市の教育委員会で実施。

●LINE相談全国28自治体で実施。

北海道、山形県、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、岐阜県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、岡山県、徳島県、高知県、熊本県、仙台市、さいたま市、千葉市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、熊本市、大津市、野田市。

※文科省がSNS相談を支援している自治体。
※自治体ごとに中高生にQRコードを配っている。

QRコードを知りたい場合は、各都道府県の教育委員会まで。

●チャイルドライン※電話・チャット相談ともに今月29日から1月3日までは休業。

電話相談0120-99-7777(午後4時~午後9時)オンラインチャット相談(午後4時~午後9時)(木・金曜日、毎月第3土曜日に実施)※チャイルドラインHPからチャット相談が可能https://childline.or.jp/chat

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