コロナ「中和抗体」 約1万人の血液調べ 0.15%から検出 神戸大

神戸大学の研究グループが、ことし8月から10月にかけて兵庫県内の病院などで採取した、およそ1万人の血液を調べたところ、新型コロナウイルスに感染したあとにできる抗体が検出されたのは、0.15%だったと発表しました。研究グループは「多くの人は今後も感染のリスクがあり、感染防止の対策を徹底すべきだ」としています。

神戸大学医学研究科付属感染症センターの研究グループは、ことし8月から10月に兵庫県南部の病院を外来受診した患者など、およそ1万人の血液中に、新型コロナウイルスに感染したあとにできる「中和抗体」があるか調べました。

その結果、0.15%にあたる16人から中和抗体が検出されたということです。

これを兵庫県南部の人口およそ450万人に換算すると、ことし10月1日時点で6000人余りが感染していたことになるとしています。

同じ時点で実際に県内全体で確認されていた感染者は、およそ2700人だったため、研究グループは「感染に気づいていない感染者がいる可能性がある」としています。

体内に中和抗体があると、ウイルスの働きを抑え、感染を防ぐ力があるとされ、感染症センターの森康子センター長は「ことし10月の時点でも感染率は極めて低く、多くの人は今後も感染のリスクがある。本人が気づかないうちに、ほかの人にうつしてしまうことが考えられ、自分が感染者であるリスクも踏まえて、感染防止の対策を徹底すべきだ」と話しています。