広島県内 新型コロナ 1人死亡 最多の138人感染確認

広島市教育委員会は、広島市中区の市立小学校に通う10歳未満の児童1人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。これで広島県内での感染確認は延べ2028人となりました。

また、県内では17日、138人の感染が明らかになり、1日に発表された感染者の数としては過去最多となりました。

一方、広島県は県内の医療機関に入院していた患者1人が死亡したと発表しました。

県内で新型コロナウイルスに感染し、その後、死亡した人は13人となりました。

1週間の10万人当たりの感染者数 全国で3番目

NHKのまとめによりますと、16日までの1週間、人口10万人当たりの新型コロナウイルスの感染者数は、広島県は22.57人で、大阪府の27.20人、東京都の26.87人に次いで、全国で3番目に多くなりました。

先月下旬から感染者が増え続けている背景にあるのが、感染者の集団=クラスターの多発と飲食を伴う場所での感染です。
NHKのまとめによりますと、先月29日から今月17日までに確認されたクラスターは少なくとも24あり、このうち11のケースは接待を伴う飲食店や会食の場です。

広島県によりますと、感染者が最も多い広島市について、感染したと推定される場所は、▽会食が34%、▽家庭内が23%、▽職場内が14%、▽接待を伴う飲食店が11%などとなっていて、会食、接待を伴う飲食店が全体の45%を占めています。

また、広島県内の感染者は30代から50代の働き盛りの世代が増える傾向です。
感染者の年代は、11月1日~14日には、▼20代までの年代が最も多く感染者全体の55%を占め、▼30代から50代は32%、▼60代以降は13%でした。

一方、感染者が増え始めた11月29日~12月10日には、▼20代までの若い世代の割合が28%と減った一方、▼30代から50代までの働き盛りの世代の感染が増加し、47%を占めました。▼60代以降は25%でした。

専門家「大切なのは感染防ぐ重要性の再認識」

広島大学病院で重症患者の治療にあたっている大下慎一郎准教授は、重症患者が増加するスピードがここ最近さらに早くなっているとして「1人の患者さんを退院させてはまた次の患者さんを受けるという自転車操業状態が続いている。入院すると1、2週間の治療が必要になることが多いので、この速度で患者が増加し続けるとベッドが足りなくなるおそれがある」と話し、危機感を示しました。

重症化する年齢も変化しているとして「冬から春にかけては60代、70代が多かったが、最近は40代、50代の重症患者が増えている印象がある」と指摘し、比較的若い年代でも重症化する危険性があると訴えています。

また、県が17日から広島市内の一部地域の酒類を提供する飲食店に対し営業時間の短縮などを要請していることについて「酒の提供時間が短くなっても、マスクをきちんとつけないようであれば、感染は広がる。打開策の1つではあるが、大切なのは感染を防ぐ重要性を再認識することだ」と指摘します。

そして、多くの医療機関が休みになる年末年始を前に「ベッドの数以上の患者が同時に発生してしまうと、患者を受けられないという危機感を感じている。患者が爆発的に増加することだけは避けたい、防ぎたい。そうすればなんとか乗り切っていけるのではないかと思う」と述べ、医療崩壊を防ぐためには急激な患者の増加を抑えることが重要だと強調しました。