東京都 新型コロナ 10人死亡 感染確認は678人で過去最多

東京都は16日、これまでで最も多い678人が都内で新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
また、感染が確認された10人が死亡したことを明らかにしました。都は、「高齢者の感染が広がっていることで亡くなる人が増えている」として、感染防止対策の徹底を呼びかけています。

東京都は16日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて678人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1日の人数としては、4日前の今月12日の621人を上回って、これまでで最も多くなりました。7日間平均は8日連続で増加し、16日時点ではこれまでで最も多い534.4人となりました。

年代別では、
▽10歳未満が17人
▽10代が35人
▽20代が184人
▽30代が123人
▽40代が107人
▽50代が94人
▽60代が49人
▽70代が38人
▽80代が23人
▽90代が8人です。

16日の678人のうち、およそ41%にあたる278人は、これまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りのおよそ59%の400人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。

感染経路がわからない人は、都の専門家が「感染の広がりを反映する指標」としていますが、1日に400人にのぼるのは初めてです。また、7日間平均でははじめて300人を超え、309.4人となりました。

濃厚接触者の内訳は、
▽「家庭内」が最も多く127人
▽「施設内」が48人
▽「職場内」が44人
▽「会食」が9人
などとなっています。

このうち、「施設内」では、8つの医療機関で患者9人と職員11人、7つの高齢者施設で利用者と入所者あわせて11人と職員5人の感染がそれぞれ確認されました。

過去最多の678人の感染が確認されたことについて都の担当者は、「検査数の多さが押し上げている面もあるが、家庭内や職場内などで複数の人が感染するケースが多く見受けられるなるなど、さまざまな機会での感染が積み上がっている。対策を徹底して欲しい」と話しています。

これで都内で感染が確認されたのは合わせて4万8668人になりました。

一方、都の基準で集計した16日時点の重症の患者は15日より9人減って69人でした。

また、都は、感染が確認された30代と、50代から90代までの男女合わせて10人が死亡したことを明らかにしました。

都が1日に発表する死亡した人の数としては、ことし5月に緊急事態宣言が解除されたあとでは最も多くなりました。

都の担当者は、「院内感染や高齢者への感染の広がりで亡くなる人が増えている。検査を速やかに行うなど、感染している人を早く見つけられるようになってきているとはいえ、高齢者はリスクが高いことには変わりがないので、感染しない、させないよう対策の徹底が重要だ」と話していました。

これで都内で死亡した人は、合わせて557人になりました。

小池知事「曜日の傾向を考えても多い」

東京都の小池知事は記者団に対して「700人に近く、曜日の傾向を考えても多い数字だ」と述べました。

そのうえで、16日から都が府中市に整備した新型コロナウイルスの入院患者専用の医療施設で、患者の受け入れが始まったことなどをあげ「しっかり対応できるように医療体制を整えていることをみなさんに伝えたい」と述べました。

専門家「本当に強い対策を」

東京都で、これまでで最も多い感染者数が確認されたことについて、日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は「重症者や死者の数も増えていくと予想されるため、今後は本当に強い対策を取らないと、医療崩壊が現実のものになってしまうおそれがある。ウイルスにとって有利な寒い時期はまだ続くため、改めて日常の中で手洗いやマスク着用はもちろん、会食をなるべく減らすなど、より強い意識で感染対策を徹底する必要がある」と話しています。

また、北半球で感染が拡大する傾向が見られることについては「冬は寒くて乾燥しているためインフルエンザなどでは、ウイルスが環境中に残りやすい傾向があり、新型コロナウイルスも同様の性質を持つのではないか。また、寒いため人々が屋内で過ごすことが多くなることや、感染対策に疲れて緊張が緩んでしまうことなど、さまざまな要因で再び感染が拡大していると考えられる。各国の致死率を見ると2%前後の国が多いが、インフルエンザなど一般的な呼吸器系の感染症に比べて高い。日本でも入院患者が増えると死者も増えていくはずだ。さらに医療機関がひっ迫すると、今よりも致死率が上昇する可能性も考えられる。今の時期は対策を徹底してなるべく感染者数を低く抑える必要がある」と話しています。

入院1960人 重症69人

東京都によりますと、都内で16日までに感染が確認された4万8668人のうち、入院中の人は15日より16人減って1960人です。入院患者のうち都の基準で集計した重症の患者は15日より9人減って69人でした。

都は、16日の時点で、重症の患者向けの病床を200床、中等症以下の患者向けの病床は2800床をそれぞれ確保しているということです。

また、自宅で療養している人は15日より50人増えて1255人でした。

都が開設・運用している9つのホテルなどで療養している軽症や無症状の人は15日より4人増えて938人でした。

このほか、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は15日より210人増えて917人です。

一方、すでに退院した人や、自宅などでの療養が終わった人は4万3041人となっています。