アメリカ ファイザーの新型コロナワクチンの接種が始まる

アメリカでは14日、ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの接種が、各地の医療機関などで始まりました。アメリカ政府は、緊急使用の許可が現在審査中のワクチンもあわせ、今月中に4000万回分を国内に供給するとしています。

アメリカでは、FDA=食品医薬品局が製薬大手ファイザーとドイツの企業ビオンテックの新型コロナウイルスワクチンに緊急使用の許可を出し、全米各地に向け290万回分のワクチンの輸送が始まりました。

このうち、ニューヨーク市の病院には14日朝、ワクチンが到着し、新型コロナウイルスの患者の治療にあたる医師や看護師らを対象に接種が始まりました。

最初に接種を受けた看護師のサンドラ・リンゼイさんは「これが苦痛の歴史の終わりの始まりになることを期待しています」と話していました。

アメリカ政府によりますと、ファイザーのワクチンは今月中に2500万回分が供給される見通しだということです。

またFDAが現在、緊急使用の許可を審査中の製薬会社モデルナのワクチンも近く許可が出される見通しで、これとあわせ4000万回分のワクチンが今月中に国内に供給される見通しだとしています。

新型コロナウイルスのワクチンは医療従事者や高齢者施設の入所者に優先して接種されることになっていて、一般の人への接種はまだ先になる見通しですが、アメリカのアザー厚生長官は14日の会見で、来年6月末までに希望するアメリカ国民全員にワクチンの接種ができるようにするという目標を明らかにしました。

ニューヨーク市に「コマンドセンター」

新型コロナウイルスワクチンは供給量が限られる中、各地域に迅速かつ公正に分配していくことが課題となっていて、ニューヨーク市は14日、ワクチンの需給を調整する「ワクチン・コマンドセンター」を設置しました。

ニューヨーク市には、まず7万2000回分のワクチンが供給される見通しですが、このワクチンを、接種予定の人数や地域ごとの感染状況をみながら市内59か所の医療機関などに分配するということです。

デブラシオ市長は、会見で「われわれの歴史上、最大規模のワクチン接種の取り組みを進めるうえで、効率的かつ迅速な供給はもちろん、公正に分配されているか透明性を確保することも市民の信頼を得るうえで重要だ。今後、コマンドセンターを通じて定期的にワクチンの供給状況を伝えていく」と話しています。