コンテナ船運賃急上昇 新型コロナ影響で物流環境が大きく変化

世界の貿易を担うコンテナ船の運賃が急上昇しています。新型コロナウイルスの影響で物流の環境が大きく変わっていることが背景で、アジアでは、輸出業者の負担が大きいとして対応を検討する動きが出ています。

香港の情報会社「フレイトス」によりますと、世界の貿易を担うコンテナ船の運賃はこの夏以降、急激に上昇していて、中国からアメリカ西海岸に向かう主要な航路では、今月上旬40フィートのコンテナ1個当たり3874ドルまで値上がりしました。

これは、去年の同じ時期と比べておよそ2.8倍の高さです。

値上がりの背景には、新型コロナウイルスの感染拡大で大幅に減っていた輸送量がアメリカでの経済活動の再開や、いわゆる巣ごもり需要の増加などで一転して急増したことや、空輸に使われる旅客機の便数が減っていることなど、物流を取り巻く環境が大きく変わっていることがあります。

運賃の上昇は世界各地の航路に広がっていて、タイでは14日、貿易を担当する商務相が首都バンコクの港を視察し、輸出業者の負担が大きいとして対応策を検討する考えを示しました。

またマレーシアでも荷主の団体が政府に支援を要請したと報じられるなど、輸出業者の間で懸念の声が出ています。