「もう1度、思い出して」 世田谷一家殺害事件まもなく20年

東京 世田谷区の住宅で一家4人が殺害された事件からまもなく20年になります。警視庁の捜査員が12日、現場近くで「もう1度、当時のことを思い出してほしい」と情報提供を呼びかけました。

2000年の大みそか、世田谷区上祖師谷の住宅で会社員の宮沢みきおさん(当時44)、妻の泰子さん(当時41)、長女で小学2年生だったにいなちゃん(当時8)、長男の礼くん(当時6)の4人が殺害されているのが見つかりました。

警視庁はこれまでに捜査員延べ28万人を投入し、海外にも担当者を派遣しました。

不審人物などの情報はおよそ1万3600件寄せられましたが容疑者の特定には至らず未解決のまま、まもなく20年を迎えます。
12日は捜査本部が置かれている成城警察署の捜査員などおよそ40人が近くの成城学園前駅で、犯人の特徴などが書かれたチラシをマスクと一緒に配り情報提供を呼びかけました。
チラシを受け取った48歳の男性は「もう20年たったのかと思います。とても悲しい事件で、犯人には自首をしてほしいし早く解決してもらいたいです」と話していました。

成城警察署の吉岡隆生署長は「今だからこそ言えることもあると思うので、どんなささいな情報でも、寄せてほしい」と話していました。
一方、事件現場の住宅は老朽化が進み、内部の状況の証拠化も終わったため警視庁が遺族に取り壊しを打診し話し合いが続けられています。

子どもと公園によく来るという44歳の男性は「事件が忘れられないように、解決するまでは取り壊さないほうがいいと思う」と話していました。

また、散歩で訪れた65歳の男性は「毎日通るたびに胸が痛くなる。このままずっと残しておくことがいいのかどうか分からない」と話していました。

事件に関する情報は警視庁・成城警察署の捜査本部で受け付けています。

電話番号は03-3482-3829です。

にいなちゃん 夢はバレリーナ

亡くなった宮沢にいなちゃん(8)が当時通っていたバレエ教室の恩師も事件の解決を願っています。

世田谷区でバレエ教室を主宰している前田藤絵さんはにいなちゃんが3歳の頃からバレエを教えていました。

にいなちゃんは将来、バレリーナになって、自分でデザインをした衣装を着て踊るという夢を周囲に話していたということです。

前田さんは「バレエを始めて最初に専用のシューズを履くときは足が痛いのですが、それでもにいなちゃんはうれしそうにしていました。性格がとても素直だったので言うことを『はい』と聞いて楽しく練習していました」と振り返っていました。

また、最後に会ったのは事件の少し前の年末だったということで、「かぜを引かないでね。また来年、会いましょう。よいお年を」と声をかけると、家族と一緒に元気よく帰っていった様子を今でもはっきり覚えているということです。

前田さんは事件によって教え子が亡くなったショックが大きく、この20年間、追悼行事などに参加できずにいます。

現場付近を通ると事件を思い出して胸が苦しくなるということで、「あんなにかわいい小さな子まで犠牲になったのは本当にショックで、ただただ解決を祈るしかありません」と話していました。