ワクチン開発競争で“明暗”実用化の一方 計画見直しも

フランスの製薬大手サノフィとイギリスの製薬大手グラクソ・スミスクラインは、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、高齢者で十分な効果が確認されなかったとして、開発が見込みより遅れると発表しました。

世界ではワクチンの開発が急ピッチで進められていますが、すでに実用化まで進んでいるものがある一方、計画の見直しが迫られるものも出てきています。

サノフィとグラクソ・スミスクラインは11日、臨床試験の中間結果で、比較的若い年齢層では効果が確認されたものの、高齢者では十分な効果が確認されなかったため改良を行う必要があるとして、ワクチンの開発が当初の見込みより遅れると発表しました。

9月の時点では、来年前半にも承認に向けた申請を行うとしていましたが、今回の発表では、順調にいけば実用化は来年の10月から12月にかけてになるとしています。

WHO=世界保健機関によりますと、10日の時点で、世界では52種類のワクチンがヒトで安全性や有効性を確かめる臨床試験に進んでいて、中にはすでに実用化まで進んでいるものがある一方、オーストラリアではワクチンの開発が中止になるなど、計画の見直しが迫られるものも出てきています。