来年の「さっぽろ雪まつり」これまでの規模の開催事実上中止へ

新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、札幌市は来年の「さっぽろ雪まつり」を観客を入れて行うことは難しいとし、これまでの規模での開催は事実上中止される見通しになりました。

「さっぽろ雪まつり」は例年1月から2月にかけて開かれ、およそ200万人が訪れる冬の一大イベントで、実行委員会は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて来年は大雪像を制作せずに中小の雪像を中心に規模を縮小して開催する予定でした。

これについて札幌市は、現在の感染状況を考慮すると来年は会場に観客を入れて行うことは難しいとし、これまでの規模での開催は事実上中止される見通しになりました。

すでに実行委員会にこうした考えを伝えたということで、来週中に開催の在り方の最終的な決定が行われるということです。

ことし2月には、さっぽろ雪まつりの会場の事務作業員や訪れた観光客の感染が相次いで確認され、感染防止対策が課題となっていました。

札幌市の秋元市長は「70回以上続く札幌の冬の風物詩であり、雪まつりのともし火を消さないことが重要だ。過去の雪像の映像を流すなどオンラインでPRすることも考えられるのではないか」と述べました。

市民「しかたがない」「残念」

札幌市内では「しかたがない」とか「残念だ」といった声が聞かれました。

このうち、50代の主婦は「当然の判断だと思う。ことしの雪まつり会場から新型コロナウイルスの感染が確認されたこともあり、開催は難しいと思う」と話していました。

80代の男性は「できることなら冬の華やかな会場を多くの観光客に見てもらいたかったが、今は人命がいちばん大事。イベントはすべて自粛すべきだと思う」と話していました。

また50代の男性は、「もしかしたら、経済面を考慮して開催するのかなとも思っていた。この状況ならしかたがない」と話していました。

函館市から来ていた20代の女子大学生は、「2年連続で見に来ていたので、中止は残念」としたうえで、オンライン開催については「会場で迫力ある雪像を見るのが楽しみの1つなので、オンラインではもの足りないかもしれない」と話していました。