来年度の与党の税制改正大綱決定 経済回復への措置も

10日に決定された来年度の与党の税制改正大綱には、新型コロナウイルスで打撃を受けた事業者や個人の負担を軽減する措置とともに、経済の回復に向けて企業に投資や研究開発を促す措置が盛り込まれました。厳しい状況にある事業者を支えながら、企業の投資を呼び起こし、経済の回復につなげられるかが問われます。

自民党と公明党が10日に決定した来年度の与党の税制改正大綱では、まず、固定資産税については、すべての土地を対象に、地価の上昇で課税額が今年度を上回る場合、来年度に限って税額を据え置くとしています。

また、住宅ローン減税が通常より3年長く適用される特例措置は、入居の期限を再来年の12月末まで延長するなど、厳しい状況に置かれた企業や個人の負担を抑える措置が盛り込まれています。

一方で、企業に投資や研究開発を促す措置も盛り込まれています。

例えば、赤字に陥っている大企業が今後の投資計画を策定して国の認定を得られれば、足元の赤字を翌年度以降の黒字と相殺して法人税の負担を軽減できる措置が大幅に拡充されます。

また、感染拡大の影響で年間の売り上げが2%以上減少した企業を対象に、大学やベンチャーと共同で研究開発を行うことなどを条件に、研究開発費の一部を法人税から差し引く上限を45%から50%に拡大します。

感染の収束が見通せず先行きの不透明感が強まる中、企業の設備投資は伸び悩んでいます。

今回の税制改正や追加の経済対策によって、厳しい状況にある事業者を支えるとともに、前向きな投資を呼び起こし、経済の回復につなげることができるかが問われます。

厳しさ続く飲食店は

外出や飲み会の自粛で打撃を受けた中小の飲食店は、今回の税制改正で利用できる措置がないか確認することにしていますが、本来、かき入れ時の年末を前に感染が再拡大し、経営は厳しさを増しています。

東京と千葉に17の店を展開する焼き鳥店のチェーンは、夜間の売り上げが落ち込む中、店ごとに業態転換を繰り返し、危機をしのいできました。

東京・銀座にある店では、6月から日中だけ店の名前を変え、6月から11月まではかき氷を、9月からは宅配専用のから揚げを販売し、11月からはランチの営業も行っています。

こうした工夫に加えて、Go Toイートの効果もあり、先月にはチェーン全体の売り上げが去年の同じ月のおよそ70%まで回復しました。

しかし、このところの感染拡大で今月の売り上げはおよそ50%に落ち込んでいるということです。
この会社では、業務用の冷蔵庫や焼き鳥を焼く機械などにかかる固定資産税が毎年、100万円ほどに上っていましたが、ことし4月の経済対策に盛り込まれた特例措置で来年度は減免される見込みです。

今回の税制改正についても、利用できる措置がないか、税理士に問い合わせて確認を進めるということですが、Go Toイートのような需要喚起策も欠かせないと感じています。
チェーンを運営する「KUURAKU」の広報担当の齋藤光絵さんは「税金が少しでも減るのはありがたいが、売り上げの減少を考えると補助としては全然足りない。飲食店としてはいつまで持ちこたえられるか正念場が続いている」と話しています。