フェイスブックを提訴 反トラスト法違反の疑い 米当局と各州

アメリカのFTC=連邦取引委員会と全米各地の州政府は9日、IT大手のフェイスブックが、写真や動画の投稿アプリ「インスタグラム」などの競合企業の買収を通じて、公正な競争を妨げたとして、日本の独占禁止法にあたる反トラスト法違反の疑いで提訴しました。ことし10月には、アメリカ司法省がグーグルを提訴したばかりで、巨大IT企業と規制当局の対立が深まっています。

FTCと東部ニューヨーク州など40以上の州政府は9日、フェイスブックを反トラスト法違反の疑いで首都ワシントンの連邦地方裁判所に提訴しました。

FTCなどは、フェイスブックが自社の独占的な地位を脅かされないよう、写真や動画の投稿アプリ「インスタグラム」やメッセージアプリの「ワッツアップ」など競合の可能性がある企業を買収して公正な競争を妨げたうえ、利用者の選択の幅を狭めるなどの不利益をもたらしたと批判しています。

そのうえで、FTCなどは、インスタグラムとワッツアップの売却を含めた措置を取ることなどを裁判所に求めていて、FTCは声明で「フェイスブックの反競争的な行為をただし、適正な競争を取り戻す」としています。

一方、提訴についてフェイスブックは「企業の買収は当局の審査を経て行われたものだ」などと反発し、争う姿勢を示しています。

GAFAとも呼ばれるアメリカの巨大IT企業をめぐっては、ことし10月、アメリカ司法省がインターネットの検索や広告の分野で反トラスト法に違反したとして、グーグルを提訴していて、巨大IT企業と規制当局の対立が深まっています。

“巨額な収益” 批判高まる

今回、提訴されたフェイスブックは、グーグル、アップル、アマゾンと合わせて「GAFA」とも呼ばれるアメリカの巨大IT企業の1つで、独占的な地位を利用して公正な競争を妨げ、巨額の収益を上げているという批判が高まっています。

フェイスブックはCEOのマーク・ザッカーバーグ氏などが、ハーバード大学の学生だった16年前の2004年に学生どうしの交流を目的に開設し、その後、一般に開放されると利用者が一気に拡大しました。今では、世界の利用者は、月間で27億人余りにのぼっています。

利用者には無料でサービスを提供する一方、利用データを使った広告事業で収益を上げ、去年1年間の売り上げは、およそ700億ドル、日本円で7兆円余りにのぼっています。

一方、事業を急拡大させる中で競合する企業の買収も繰り返し、8年前に「インスタグラム」を、6年前に「ワッツアップ」を傘下に収めました。今回の提訴では、こうした買収が公正な競争を妨げたとして、問題視されています。

フェイスブックに対しては、民主党左派のウォーレン上院議員などを中心に分割や解体を求める声も根強くあります。

また、「GAFA」をめぐっては、議会下院の小委員会が、ことし10月、事業の分割も視野に規制を強化するよう求める報告書をまとめていて、巨大IT企業と規制当局のせめぎ合いがさらに激しくなりそうです。