「大阪コロナ追跡システム」利用進まず 半年間で感染通知なし

飲食店などを訪れた際にメールアドレスを登録すると、同じ場所にいた人の感染が確認された際にメールで知らせる大阪府の「大阪コロナ追跡システム」の利用が進まず、運用が始まってから半年余りの間に、感染が発生したという通知が一度も送られていないことが分かりました。

「大阪コロナ追跡システム」は、飲食店やイベントの利用者が店頭などに掲示されたQRコードをスマートフォンで読み取ってメールアドレスを登録すると、同じ頃、同じ場所にいた人の感染が確認された際にメールで知らせるシステムで、ことし5月、大阪府が運用を始めました。

これまで、合わせて5万2000件余りのQRコードが飲食店などに掲げられましたが、利用者のメールアドレスの登録数は、1日当たりおよそ1万3000件にとどまっています。

府ではQRコードを掲げても、利用者がほとんど登録していない店もあるとみています。

このシステムについて、NHKが運用状況を取材したところ、半年余りの間に感染発生の通知が1件も出されていなかったことが分かりました。

府では、感染した人と同じ頃、同じ場所にいた人が誰も登録していないためメールを送れないケースや、感染した人がシステムに登録していないケースがあるとみています。

大阪府スマートシティ戦略部の小泉彩乃主査は「何よりも利用者数を上げていくということが、とても大切になっている。府民に積極的な利用をお願いしていきたい」と話していました。