米 FDA「安全上の懸念特定できず」ファイザー コロナワクチン

アメリカの製薬大手「ファイザー」が開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、緊急使用の許可を出すかどうか審査を行っているアメリカのFDA=食品医薬品局は臨床試験の結果についての詳細な分析資料を公表しました。この中でFDAは「緊急の許可を妨げるような安全上の懸念は特定できなかった」としています。

アメリカの製薬大手ファイザーは、ドイツの企業「ビオンテック」と開発中の新型コロナウイルスワクチンについて先月、FDAに緊急使用の許可を申請し、現在、審査が行われています。

FDAは8日、およそ4万人を対象とした臨床試験の結果を分析したワクチンの効果と安全性に関する詳細な資料を公表しました。

それによりますと、2回の接種を終えて7日目以降での新型コロナウイルスの感染症への有効性は95%で、異なる年代でほぼ同様の有効性がみられたとしています。

また、1回目の接種のあとでもある程度の有効性が示されましたがFDAは、現在のデータでは十分に確認できないとしています。

一方、分析の対象となった人のうち、84.1%が接種部位に痛みなどを訴えたほか、62.9%にけん怠感、55.1%に頭痛、38.3%に筋肉痛、31.9%に寒気、23.6%に関節痛、14.2%に発熱がみられたということですが、ほとんどの症状は軽度から中程度だったということです。

FDAは、安全性の評価について「緊急使用の許可を妨げるような安全上の懸念は特定できなかった」としています。

FDAは、今月10日にこのワクチンについて専門家の評価を聞く委員会を開催する予定で、この委員会での意見を踏まえて緊急使用の許可を出すかどうか速やかに判断する見通しです。